日立システムズフィールドサービスは、全国をカバーする広域ネットワークのもと、コンサルティングからSI、工事も含めたシステム運用や監視・保守など、ITライフサイクルのすべてにわたる製品・サービスをワンストップで提供しています。そのため、取り扱う製品・サービスも幅広く、それらすべてに関して信頼性や正確性はもとより、お客さまに満足いただける品質を追求していく必要があります。
そこで当社は、過去から蓄積したノウハウや先進的な技術力、人財力、また「基本と正道」にのっとった法令順守活動をベースに品質保証の仕組みを構築して継続的に改善するとともに、ナレッジの共有も推進しています。こうした取り組みを通じて、お客さまに満足と感動をもたらす製品・サービスをグループ一丸となって創造していきます。
当社では、社長方針にのっとって年度当初に「品質保証重点項目」を定め、イントラネットなどを通じて全社への周知徹底を図っています。また、年度の終わりには年間を通じた取り組みに対して本部長や管掌役員が評価し、次年度の重点項目策定に生かしています。
従来からの設計/構築工程における品質の作り込みはもちろんのこと、サービス視点での品質の見える化による品質作り込みプロセスを定着化するとともに、デジタルソリューションなど新分野にも対応した上流工程からの品質作り込みプロセスを整備し、事故の未然防止に努めています。
クラウドサービスなどのサービス基盤やセンター設備での障害は、多くの利用者さまに長時間にわたるサービス停止により利用者さまの業務に大きな影響を与える傾向にあります。こうした影響を最小にするために、特に信頼性設計(業務継続、障害回復)に重点を置いた設計検討強化とサービス提供状況に対する品質査察活動によって稼働品質の向上を図っています。
環境変化による企業への期待の高まり並びに事業拡大リスクに対応すべく、対応範囲の拡大とこれまでの知見を活かした全方位的な品質保証を展開しています。
特に、新事業・拡大分野(DX、カーボンニュートラルなど)の品質保証プロセスの確立、品質保証活動の強化を図り、事故の未然防止に努めています。
当社は、下記の国際規格を取得することで、グローバルに通用する品質を確保しています。
当社は、お客さまに満足いただける高品質なITサービスを提供するため、大きく3つの品質保証活動を推進しています。
1つ目は、設計・運用部署が自社の規格に沿って品質を確保し、お客さまからの「引き合い」から「稼働後」までのプロセスで「品質をつくり込む活動」です。2つ目が、専門組織である品質保証本部も参画して、開発から運用における「プロセスの妥当性を検証する活動」です。3つ目が、2008年度から設けている「品質確保フェーズゲート」です。
これは、各プロセスで7〜8割作業が進んだ時点で、チェックリストを基にしながら「進捗」と「実施すべき作業の漏れ」の有無を確認するものです。高品質を確保するために上流工程でやるべきことを先送りしないというルールを定着するだけではなく、現場での自立的かつタイムリーな改善を促しています。
このほかにも、品質保証活動の徹底と効率化に向けて、障害対応支援、品質保証技術・ツールの開発、システムの設計や検査の強化、定期点検の継続、ライフサイクルを通した品質確保策の推進などに取り組んでいます。
当社は、お客さまに提供する製品・サービスを技術者が最新の技術で検査しており、万が一不良が発生した場合は、全工程を差し戻して徹底的に原因を究明しています。また、お客さまに提供した後も高度なスキルをもつ技術者のサポートによって問題解決を図っています。
毎年当社では、社外事故の発生件数の上限目標を定めています。事故発生時はもとより、万が一上限目標を超えた場合は徹底的な原因究明を行い、二度と同様の事故を発生させないよう再発防止に努めています。
当社では、社外事故の中でも特にお客さま業務への影響度が高く、その発生要因が深刻で、社会的な影響が極めて大きい事故を「重要事故」と位置付け、対策を講じています。
万が一重要事故が発生した場合は、お客さま業務への影響を最小限にすることと併せ、一刻も早く事故を収束させるために、関係部署が一丸となり復旧活動に対応します。また、事故撲滅を目的とした定期的な全社活動を実施しています。
危険予知ミーティングの未実施など、保守員としての基本動作不足による事故をなくすために、現場でのプロセスの見直しや標準化、危険予知/予防(KY)プロセスの見直しと標準化を進めています。
さらに事故の再発防止策を全社に展開するとともに、定着度測定プロセスのeラーニングを構築・運用しています。
当社では、事故や障害の撲滅・再発防止を目的として、反省会、品質マインドの醸成教育などを実施しています。事故情報や反省会の結果はナレッジ情報として事故管理DB、社内サーバーに格納し、eラーニングの教材に活用したり、従業員向けに事故情報を発信して、製品・サービスの品質改善につなげています。また、グループ会社のガバナンス強化に向けて、品質に関するグループ会社との「品質保証部門連絡会」を2カ月に1回開催しています。
「落穂の精神」とは、日立製作所が創業当時から大事にしてきたもので、「進んで自分の身を責め、自分の中に反省を見出すこと」を意味します。日立グループにも受け継がれており、当社も、高品質な製品・サービスをお客さまに提供するために、他人を非難するのではなく、お客さま視点で謙虚に自分が反省するという姿勢で業務に取り組む、という考えを重視しています。
支店/本部で実施している反省会などにおいて“落穂の精神”を再確認し、発生した事故の問題点を深掘りし動機的原因(失敗した理由)を明確にしていきます。さらに導出した再発防止策が定着していることを実査していきます。