IPよもやま話
IちゃんとP(パパ)と小野田君の会話が続きます。
今日は、小野田君の「グリーンICT」についてのレポートがあるのよね。
そうです。
私が「グリーンICT」についてお話します。
いきなり固い話をしますが、平成22年版の「情報通信白書」には、「地球的課題である地球温暖化問題への取組が喫緊の課題となりつつある状況にあるが、ICTを従来よりも一層活用することによりCO2の大幅な削減に貢献する「グリーンICT」が大いに期待されている。」とあります。
そうか!
つまりは「CO2排出を削減して地球温暖化問題に貢献すること」なのね。
図1 グリーンICTは温暖化防止策
そうです。
そして、グリーンICTには、ICTを活用したグリーン化(Green by ICT)と、ICT自体のグリーン化(Green of ICT)の2つの概念が含まれています。
小野田君、話し方が固すぎるよ。
もっと、ざっくばらんに分かり易く説明しないと、わかりづらいし退屈するよ。
すみません。
では、ざっくばらんに説明します。
ちょっと待って!
その前に「ICT」って何のこと?
ITと違うの?
はっはっは。
そうだ、そこから説明しないと!
すみません。
では、ICTとITの違いを含めてICTとは何のことか説明します。
愛ちゃんの知っている「IT」とは「Information Technology」の略で、コンピュータ関連技術のことです。
そのITの真ん中に「C」の「Communicatin」が挿入されるようになって「ICT」と呼ばれるようになったんだ。
通信抜きでは、これからのITは成り立たなくなったからで、この数年、主に総務省や通信事業者などが使い始めた言葉なんです。
分かり易い図が、私のタブレットに入っているので、お見せします。(図2)
図2 ICTのイメージ
有難う。よく分かったわ。
では、話を戻します。
ICT機器の省エネ化や IT 技術による効率化をはじめとする、環境に配慮した ICT 技術への取り組みのことを「グリーン ICT」と呼んでいるのです。
「グリーン ICT」は、現在世界的に大きな注目を集めています。
ビジネスの IT 化に伴い、企業で使用する PC やサーバーなどの ICT 機器の台数は、今後も大幅に増加していく見込みとなっています。
地球温暖化問題などの地球環境に対する取り組みを、世界全体で行わなければならなくなっている現代において、企業が使用する ICT 機器にも省エネが求められているんですね。
それは理解できるわ。
そうそう、民主党の鳩山元総理が国際会議で、確か2020年までに「温室効果ガスのマイナス25%削減宣言」をしたことがあったわよね。*1
それって諸外国に約束したようなものなんでしょう?
そうだね。
しかし、最近になって「安部首相」は、「25%削減目標」の見直しを正式に指示したんだ。そのため温室効果ガス削減目標の引き下げは必至と見られるね。*2
東京電力福島第1原子力発電所事故の後、原発の稼働停止が続いていて、代替電源である火力発電所が排出する二酸化炭素(CO2)は増加傾向にあることも、その要因だね。
でも、日本が目標の引き下げに踏み切れば、国際社会から温暖化対策に消極的だって批判を受けるんじゃないの?
図3 諸外国から非難?
そうだ。その通りだと思うよ。
日本は、欧州と並んで温暖化対策の国際交渉をリードしてきたけれど、発言力の低下を招くことになるだろうし、温暖化対策に関わる政府関係者は「削減目標の引き下げにあたり、今後の削減をどう進めるか説得力のある説明が欠かせない」と指摘しているんだ。
具体的な動きはありますか?
うん。茂木敏充経済産業相は、中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の策定に向けて議論を再開する方針を打ち出しているよ。
新たな目標設定に向けては、原発の再稼働や新増設を今後どうするかを含めた現実的なエネルギー政策を打ち出す必要があるだろうね。
冒頭に「グリーンICTには、2つある」と説明しましたが、その(1)の「ICTを活用したグリーン化(Green by ICT)」について、地球温暖化問題への貢献は、図4のような方法で実現が目指されています。
何だか細かい図だけど、よく見ると理解できるわ。
図4 ICTを活用したグリーン化(Green by ICT)のイメージ
出典:総務省「地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会 報告書」より作成
2番目の「ICT自体のグリーン化(Green of ICT)」の話は、ICT関係の製品自体が、グリーンICTに貢献する話ですが、例えば日立製作所は会社をあげて「環境適合製品」*3の指定をしていることを知っていますか?
ここが私の勉強の1つの成果ですが・・・・
いいえ。私、全然知りません。
それって何のこと?
環境適合製品とは、日立グループ独自の「環境適合設計アセスメント」で定める減量化、再生資源化、省エネルギー性、環境保全性など8項目に渡る評価を行って、基準を満たした製品をいうんですね。
そして、その製品には、環境ラベル「ecoマーク」をつけてカタログやホームページで紹介しているんです。
その中には、ハイブリッドIP−PBXの「CX9000IP」や「IP−PBX TM」なども含まれています。(2012年度)
あら、新製品の「CX-01」は?
これから指定されると思います。
小野田君。
日立コミュニケーションネットワークス(現:日立システムズフィールドサービス)社にも、その制度を適用した、工事や保守などのメニューがあることを知っているかな?
いいえ。
不勉強で知りませんでした。
例えば「ネットワーク:ネットワークインテグレーションサービス」「工事:電話交換システム工事」や「保守:電話交換システム保守」(2012年度)があるんだよ。
私の報告なのに、最後はお父さんが締めてくれましたね。
次回も私が頑張りたいです。
テーマは「クラウド」です。
実は最近の案件で遭遇したので、少し勉強しました。
そうか。頼むよ。