IPよもやま話
IちゃんとP(パパ)と小野田君の会話が続きます。
今日は、小野田君が「迷惑電話対策の話」をしてくれるのよね。
有難いけど、どうしてこのテーマを自分から話そうとしたのかしら?
そのことですが、前回もお話しましたが、お客様に50才代のご婦人がおられるのですが、「小野田さん、私のお友達があわや“振り込めサギ”にあいそうになって200万円も被害を受けそうだったの。なにか良い対策はありませんか?貴方は電話屋さんだから、何かいい知恵があるでしょ」って言われたので、よく説明してあげたいからです。
あら「いいこと」をしたわね。
でも、即答できないこともあって、調べて出直したこともあったので、二日がかりでした。
私でも「迷惑電話お断りサービス」くらいは知っていたけど・・・。
そうそう、それも含めて「新しい振り込め詐欺対策機器」についても説明しました。
へぇー。面白そう!
説明して。
先ず、迷惑電話対策には大きく言って3つの方法があります。
1)発信者番号表示サービス活用
2)迷惑電話お断りサービス活用
3)振り込め詐欺対策用機器の活用
です。
図1 ナンバーディスプレイサービス*1
私、1)項も知ってます。
私の家の固定電話は、発信者番号表示サービスに申し込んでいるの。
かかってくると、相手の電話番号が表示されるので安心です。
毎月400円かかるけどね。*1
そうか。
でもたまに「非通知」ってのがくるだろう?
これは、自分の番号を相手に教えたくない人(会社)が、NTTとナンバーディスプレイ契約をしない場合なんだが、愛ちゃんはそのときはどうしているのかな?*2
胡散臭いので、出ません。(笑)
そうだね。それが「迷惑電話対策」になっているということだ。
それなら、いっそ「相手の名前まで表示してくれればいいのに・・・」
そういうサービスもありました。
名称は文字通り「ネーム・ディスプレイ」で、NTT東西で平成14年7月からアナログ加入電話とINSネットで、図1のディスプレイに名前を表示してくれるサービスなんだ。
その「サービスがありました」って、過去形の意味は何?
うん。このサービスの利用者が年々減少しており、今後もこの傾向は継続していくと想定されることから、平成25年2月28日(木)からサービスの提供を終了するんだそうです。
図2 携帯電話の表示
分かりました。
でも、携帯電話やスマホなら、登録しておけば、必ず相手番号が表示されるから問題はないわよね。(図2)
そうです。
番号表示の問題に限ればその通りですが、携帯電話では別の問題で「振り込め詐欺」が横行しているので、別の対策が必要ですね。
尤も、「振り込め詐欺」は、新しい呼び方に変わって「母さん助けて詐欺」と呼ぶようになったそうです。*3
図3 おれおれ詐欺は全体の7割弱
振込み詐欺について、被害額を調べると「平成24年中の被害総額は、6,348件で約153億7千万円」もあって、そのうちの電話に関係する「おれおれ詐欺は、105億3千万円(全体の68.5%)」と約7割を占めているんだよ。(図3)
ひゃーぁ!凄いねー。
対策の2番目の「迷惑電話お断りサービス」では、撃退できないのかしら?
それは、これから説明しますが、対策としては活用はできると思います。
NTTの「迷惑電話お断りサービス」は、迷惑電話を受けた直後に、ユーザーが電話機から登録操作を行うことで、以降同じ電話番号からかかってきた場合、そのユーザーに代わって「こちらは、○○○−△△△−□□□□*4です。この電話はお受けできません。ご了承ください」と自動的にメッセージで応答するサービスなんだ。
最大6個の電話番号を拒否登録できる「迷惑電話 おことわりサービス6」と、最大30個の電話番号 を拒否登録できる「迷惑電話おことわりサービス30」があるんだ。*5
その「ユーザーが行う登録操作」って、難しいの?
図4 サービスの登録操作
それは簡単です。その電話が終わった後、一旦電話を切って、図4のように「“144”をダイヤル」した後「ガイダンスを聞いて」、その後「“2”をダイヤル」すればいいんだ。
そうなんだ。操作は簡単ね。
でも、このサービスは、意外と知られていないわね。
そうなんだ。おれおれ詐欺の犯人は、携帯電話を使うが、被害者は大抵「固定電話を使うお年寄り」だからね。
日頃から、教えておかないと、なかなか難しいかも知れないね。
3番めの「新しい機器」って、何のこと?
私も最近知ったんだけど「新兵器」が登場しているんだね。
それを表1に示しました。
表1 振り込め詐欺対策用機器
項 | 品名(メーカー) | 説明 | 補足(価格) |
---|---|---|---|
1 | トビラフォン (トビラシステムズ) |
同社のデータベースに登録された約3万件の迷惑電話を自動的に着信拒否。データベース以外にも、個々の利用者が拒否登録した番号も利用者間で共有される。 |
初期費用:2100円 IP電話もOK |
2 | フォトプラス (NTT西日本) |
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2万750円 番号表示のために、前述のナンバーディスプレィ契約が必要 国内で販売されている電話機(モジュラー接続型)なら、何でも可能。 |
3 | 振り込め詐欺 見張隊117 (レッツコーポレーション) |
警視庁と共同開発されたもので、下記の2種類がある。
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1万290円 「たいへんだー」には、「大変だぁ〜!!!ボタン」(あらかじめ登録された3箇所の電話番号に自動発報)がある。 アナログ回線に適用 |
表1の3項の製品は、警察庁が「振り込め詐欺の被害防止に役立てようと、電話での会話を自動録音するこの装置(1万5千台)を東京都内の高齢者宅に無料で貸し出すそうです。
これは、全国初の取り組みといい、録音された犯人の音声はデータベースに蓄積して捜査に活用するのだそうです。
ふーん。
警察庁もやるわね。
でも、東京だけでなく、もっと広く全国展開しないとだめよね。
警察庁の昨年の調査(振込め詐欺被害者318人)は、9割以上が「自分は大丈夫と思っていた」と答えたそうだ。
一番の防止策は、「自分は誤解するかもしれない。騙されるかもしれない」と自覚して、「お金を必要とするような電話」には、「念には念を押すこと」だろうね。
そうね。
お年寄りだけでなく、そそっかしい私も注意しないと・・・。(笑)
ところで、最後に確認だけど、小野田君説明の3つの対策は、全てひかりIP電話で可能ですよね?
はい、1項、2項は勿論ですし、対策機器も表1に書いたように、3項以外は可能です。
ところで、お父さんにお願いがあります。
次回は「グリーンICT」について教えてくれませんか。
IP−PBXの営業でお客様から、聞かれましたがPBXと関係があるとは思ってもいなかったので・・・。
いいとも。