IPよもやま話
IちゃんとP(パパ)小野田君の会話が続きます。
パパ、今日は 「スマホと関連システムの話」だったわよね。
図1 スマホとは
うん、そうだった。
小野田君のために、スマホやスマホFMCなどの関連システムの話をしてくれ、というリクエストだったね。
まずは、スマートフォンについて学ぼう。
愛ちゃん、いま、いきなり「スマホ」と言ったね。
最近は誰でも「スマートフォン」を略してそう呼ぶようだが、「スマートフォン」って何のことか説明できるかな?
いまさら聞くような質問では無いかも知れないけど。
今日は、入門編としてその辺から話を展開しよう。
携帯よりも多機能でアプリがいっぱいあって、どんどんアプリも追加できる端末ってとこかな。(図1)
スマートって格好いいってことでしょ?
うーん。
50点の回答だな。
「スマート」とは、太っている人よりスレンダーな人の方が「スマート」だというような意味ではなく「賢い」「頭がいい」といった意味なんだよ。
「スマートグリッド」という言葉を聞いた事があるかい?
はい。お父さん。
聞いた事があります。
「グリッド」は、「鉄格子」という意味もあって「配電網」や「送電系統」のことも指すんですよね。
つまり「スマートグリッド」は「賢い電力網」のことを言うんです。
そこに使われるメーターのことを、今までは積算電力計とか言っていましたが、頭のいい(賢い)スマートメーターが使われるとも聞きました。
そうだ。
そのように「スマート」とは「賢い」といった意味なんだよ。
それを言うなら、今の携帯電話も結構多機能で頭がいいわよ。
私の外国人の友達なんて、「日本の携帯は"スマートフォン"といってもいいわね」って言っているわ。
そうそう。
そこで、日本では今の携帯電話をフィーチャー・フォン(feature phone)*1と呼んで「スマートフォン」と区別するようになっているんだよ。(図2)
そうなんだ。
わぁー、1つ利口になったなー。(笑)
図2 携帯電話とスマホ(例)
スマホは、インターネットとの親和性が高く、パソコンの機能をベースとして作られた多機能携帯電話・PHSのことで、「スマホ」、「スマフォ」と略されることもあるんだ。
電話・メールの他にPDA機能が付いた多機能携帯電話であり、パソコンの特徴が取り入れられている携帯電話と表現されることもあるんだよ。
ところで、その携帯電話とスマホの普及状況ですが、最近はスマホが急追して、携帯を逆転したように聞いていますが・・・?
図3 スマホが携帯を逆転
その勢いだね。
MM総研の調査と予測によると、出荷台数で2011年度は「携帯51%:スマホ49%」と殆ど互角だったのに、2012年度は逆転して、2015年には「携帯25%:スマホ75%」と予測されているんだよ。(図3)
そこで、PCのように使われるOS*2があるんですね。
あー、アンドロイドとかいうやつでしょ?
スマホのOSでは、iOSとAndroid(アンドロイド)が有名だが他にもあるんだ。
それを表に整理したから見てごらん。
表1 スマートフォンのOSの種類
No | OS名称 | 説明 |
---|---|---|
1 | アンドロイド (Android) |
Android社を買収したGoogleが開発しているOSで、Googleが提供するスマートフォン、タブレット端末などに向けた OS。ベースはLinuxとされ、オープンソースとして提供される。複数のベンダが採用し、それぞれのハードウェアや、ベンダのカラーに合わせてカスタマイズされているため、一概に「Android」と言っても端末のUIデザインが大きく異なることもある。最新バージョン(2012年2月末日時点)は4.0.3だが、スマートフォン向けバージョンである2.3.7、タブレット端末向けバージョンである3.2.2など複数のバージョンが入り乱れて搭載端末が発売されているのも特徴。 |
2 | アイフォン (iPhone) |
iOS(旧iPhone OS)Appleが開発した自社ハードウェア専用のOSで、Appleが提供するスマートフォン「iPhone」向けOS。Androidとは異なり、搭載されるハードウェアは限定される。iPhone以外ではほかにタブレット端末「iPad」にも搭載される。最新バージョン(2012年2月末日時点)は5.0.1。 |
3 | シンビアン (Simbian) |
日本ではNTTドコモ向けの携帯電話で多数採用されている |
4 | ブラック・ベリー (BlackBerry) |
企業利用を念頭に、遠隔管理とアクセス、メッセージングに重点をおいたOSで、RIM(Research In Motion)が提供する端末「BlackBerry」シリーズに搭載される専用OS。日本国内で利用できる最新バージョン(2012年2月末日時点)は 7.0で、対応端末はNTTドコモのみが提供している。「BES(BlackBerry Enterprise Server)」と呼ばれるサーバシステムとともに導入することで強固なセキュリティと管理機能を利用できる。 |
5 | ウィンドウズフォン (WindowsPhone) |
マイクロソフトが提供するスマートフォン向けOS。現状(2012年2月末日時点)では国 内で1機種のみ対応スマートフォンが発売されている。最新バージョン(2012年2月末日時点)は7.5。Windows Mobileの後継OSであるが、基本設計から異なっているため互換性はない。初期のスマートフォンでよく採用されたが、iPhoneやAndroidに押されシェアは低下している。 |
6 | その他 | Palm OS(ACCESS) /HP webOS(HP)/bada(韓国)/Brew MP(Qualcomm社)等 |
そんなにOSがあるんですね。
いまの日本のスマホのOSシェアはどうなっていますか?
iPhoneのiOSが先行したが、今年の3月末にはアンドロイド(Android)が逆転して過半数になる状況だね。
それって、スマホの機種でみるとどうなってるんでしょうか?
私がベスト3を調べたところによると、直近*3のデータで、
1位が、ギャラクシーSU(サムスン電子/NTTドコモ)
2位が、エクスペリア アクロ(ソニー・エリクソン/NTTドコモ)
3位が、エクスペリア アクロIS11S(ソニー・エリクソン/au(KDDI))となっているようだね。
ちょっと初歩的な質問だけど、スマホを買ったときについてくるOSは、ずーっとそのままでいいのかな?
バージョンアップなんて必要ないの?
いやいや、初歩的だが鋭い質問だよ。
OSの危険性では、要素としてウィルスをはじめとしたマルウェア*4の脅威を思い出す人は多くいるが、実際にはマルウェアを利用しなくてもOSの脆弱性を利用することで情報を 抜き出すといったことは技術的に可能だし、マルウェアの恐怖が少ないと思われているiOSでも、やはり危険要素が含まれていたんだ。
どうしたらいいの?
こういった根本的な危険要素は、OSのセキュリティ上の問題を利用しているので、ユーザーはやはりOSのアップデートを実施することは非常に大切なんだよ。スマートフォンのOSをアップグレードすることで、端末の使い勝手が向上したり、便利な新機能が追加される場合が多いし、ユーザーは利用するデバイスの 最新OSがリリースされたら速やかにアップデートを実施することを強く推奨したいね。
アンドロイドではどうなんですか?
図4 OSが古いと
アンドロイドの場合には、さまざまなアプリケーションのインストール方法が提供されているため、マルウェアの侵入経路も多岐に渡るんだ。 このため、OSを最新にした上で、セキュリティソフトを導入することを強く推奨するね。(図4)
セキュリティソフトの中には、ウイルススキャンだけでなく危険なWebサイトへのアクセスをブロックする機能 を有するものもあるしね。
マルウェアのダウンロードの防止だけではなく、不正なJavaスクリプト*5の脅威の対策にもなるんだ。
セキュリティソフトの選択の際にはWebアクセスのセキュリティ対策が可能なものを選択することで、より安全なスマートフォン利用環境を整備することが大切になるんだよ。
そうかぁ。
スマホのOSも最新バージョンにしておく必要があるのね。
ところで、パパ。
スマホの入門編は終わったので、次回は本題の「スマホFMCの話」を、我が小野田君のためにして上げてね。
はいはい。分かりました。(笑)