IPよもやま話
IちゃんとP(パパ)小野田君の会話が続きます。
パパ、今日は「光の道」のお話の続きを聞けるんだったわよね。
そうだね。
今日は「光の道」構想に対するソフトバンクの孫社長の提案とその成り行きの話をしよう。
何だか面白そう!
やじ馬根性、高みの見物はいけないよ。
真面目に聞くんだよ。(笑)
はい、分かりました。
孫さんはね、原口一博元総務大臣が示した「光の道構想」を支持しているんだが、国費を投入することなく国内の全世帯のメタル回線を光ファイバーに置き換える方法があると説いているんだ。
維持費がかさむメタル回線(いまのアナログ加入電話網)がなくなれば、NTT東西のアクセス回線事業の収支も改善され、現在のメタル回線並みの月額1,400円で光回線を各家庭に提供できるようになること、それによって光100%が実現すれば電子教科書や電子医療などの利活用面で大きな進展が期待できること、などをアピールしたんだ。
えーっ!そんな名案があるんですか?
ウン、ソフトバンクは2009年12月に「光の道」構想に対する意見を発表し、民主党政権にも接近したんだ。
その「ソフトバンクの“光アクセス会社構想”」はね、「NTT東西のアクセス事業を資本分配し、メタル撤去と光敷設を同時に計画的に進行することで、メタルと光の二重の維持費を圧縮。税金ゼロで、光の回線料金をメタル並み月額1,400円で提供可能とするもの
なんだ。
孫さんの提案はB案(図1)と呼ばれるが、そのポイントは4つあるんだよ。(図2)
凄いじゃん!税金ゼロと料金もメタルと同じで出来るなんて本当に名案だよね。
話を戻そう。
「光の道」構想には、図1のようにA案とB案があったのを知っているかな?
もともとの「光の道」構想は、政府や自治
体が補助金(税金)を出すことで整備を進めていくという案で、これに対し孫さんが、民間のアクセス回線会社が既存のメタル回線を撤廃して、光回線に切り替えていくというもので、税金は不要(ゼロ)という案を出したんだね。
前者をA案、後者をB案と呼ぶんだ。
孫さんは、A案の場合「回線の整備は需要見合いで進むため、利用できない地域が多数存在することになると言っているんだ。
ソフトバンクは意見広告を新聞に出したりして華々しく話題にしたんだよ。
NTTや他のキャリアや前回聞いた「ICTタスクフォースの委員」(注1)などの意見はどうだったのでしょうか?
ICTタスクフォースでの議論は総務大臣の交代で少しトーンダウンしたね。NTTの組織見直しの話(注2)も、2014年ころのブロードバンドの普及状況をみて判断することになったんだ。
ICTタスクフォースが2010年11月22日に公表した下「“光の道”実現に向けた骨子案」は、図3のようになっている。
総務省は、最終報告に沿って接続料や機能分離などの検討に入っている状況だね。
つまり、孫さんのB案は否定されたということですね。
そういうことだね。
図3 公表された「ICTタスクフォースの“光の道”実現に向けた骨子(案)
孫さんのB案のこと、それが却下されたことなど理解しました。
「光の道構想」の基本方針とこれからのポイントなどを知りたいですね。
それに、NTTの「機能分離」とか「構造分離」と言う言葉の意味も知りたいです。
ほほう、乗ってきたね。(笑)
では、次回からは小野田君の要望に沿って話を進めよう。