IPよもやま話
IちゃんとP(パパ)小野田君の会話が続きます。
お父さん、今日は「データコネクト」について宿題を戴いたので、予習してきました。
うんうん。では、その予習の成果を発表してくれないか。
NTT東西で始まった「データコネクト」というサービスは、多様化する通信ニーズに応えるために、NGNの「フレッツ 光ネクスト」で「ひかり電話」(注1)を利用のお客さまに、“03”とか“06”等の市外局番から始まる電話番号を利用した帯域確保型のデータ通信サービスで、平成22年6月1日(火)より提供が開始されたものなんです。
それじゃ全然分からないわ。
分かり易く説明してくれないかな。
そうですね。
では、いきなり使い勝手とメリットを話します。
Iちゃんは、FAXがもっと写真のように綺麗に送ったり貰ったりしたいと思ったことはありませんか?
あるある。
新聞や雑誌の切抜きを送って貰う時なんか、「もっと中間色も綺麗に出ないの?」と思うし、設計者やデザイナーなど「精細な図面」をやり取りする仕事なんかには最適でしょう?
図1 データコネクトのFAX画質
出典:「ITMediaNEWS」(22.6.1更新から)
そうなんです。
「データコネクト対応FAX」を使った実際のデモの写真があります。(図1)
アナログ回線ならA4判×1枚の写真データ送信に72秒かかるんですが、データコネクト(1Mbps)なら約2秒でアナログ回線より高画質に送れるんですね。
左がアナログ回線で送った画像、右がデータコネクト、です。
わぁー、凄い!
高画質な画像をスピーディかつ安価に送受信可能なFAXや、POSレジからの売上情報の送受信、プライベートな写真や動画を共有するなど、個人・企業を問わず多くのユーザーが利用できますね。
いまのG3FAXで利用できるの?
いいえ。
データコネクト対応のIP-FAXでなければ駄目ですが、既存機種でも数万円程度のファームアップで使えるようになる見通しもあるそうです。(注2)
複合機の場合、新機種に買い換えなくとも高速なFAX通信が利用できそうですが、一般家庭を対象としたホームFAX機の登場は来年以降になるようです。
そうなんだ。
データコネクト対応のIP-FAXって、もう販売されているのかしら?
そう、もう発売や発売計画中のメーカーがあります。(表1)
表1 IP-FAXの主な製品
企業名 | 名称 | 提供時期 |
---|---|---|
株式会社ソフトフロント | T.38対応IP-FAXライブラリ | H22.6.1 |
富士ゼロックス株式会社 | 未定(T.38対応FAX) | H22.夏(予定) |
ブラザー工業株式会社 | 未定(T.38対応FAX) | H23(予定) |
株式会社リコー | 未定(T.38対応FAX) | 商品化準備中 |
出典・引用:NTT東日本ニュースリリース(H22.5.31)より作成
これからの商品なんですね。
そうですね。
話が前後しましたが、「データコネクト」の概要を表2に示しました。
表2の中に「光ナンバーゲート」という用語が出てきます。
今回一緒に説明しようと思いましたが、少し分かりづらくなるので、次回説明します。
実は、「光ナンバーゲート」と一緒に説明したかったのですが、話がややこしくなると思い、今回は「データコネクト」を理解していただいて、次回には「光ナンバーゲート」を説明しますが、両者の関連した説明もしたいと思います。
いいとも。
自分で自分に宿題を作ったね。(笑)
表1 データコネクトの概要
サービス内容 | 03等の市外局番から始まる電話番号を利用した帯域保証型データ通信 |
---|---|
利用可能な顧客*1 | 「フレッツ光ネクスト」で「ひかり電話」を利用のユーザーまたは、「ひかり電話ナンバーゲート」*2利用のユーザー |
接続可能な通信先 | NTT東西の「フレッツ光ネクスト」で「ひかり電話」を利用のユーザー、またはNTT東西の「光ナンバーゲート」を利用のユーザー間(ただし、着信課金番号への接続は不可) |
お父さん。こんな説明でいいでしょうか?
そうだね。少し補足しよう。
この「データコネクト」は、NGNの商用化以前から「オンデマンドVPN」や「パーソナルVPN」というコンセプトで宣伝されてきた新しいデータ通信サービスがついに始まったもので、「電話番号で通信相手を指定し、最大1Mビット/秒で安全、確実にデータを送受信できるんだ。データ通信サービスとしては初めてNGNならではの帯域確保機能、セッション制御機能を活用した新サービスなんだ。
愛ちゃん!小野田君の言うとおり、光ナンバーゲートも関連したサービスだから、今日の内容を忘れずにね。
分かりました。
今日の「データコネクト」が、NGNのひかり電話の機能ということは、フレッツ光ネクストの加入者が対象なのね。
そうです。
音声と映像の2種類の通信が可能だったひかり電話の機能を拡張し、IPアプリケーションのデータも扱えるようにしたんですね。従量課金のダイヤルアップ通信をIPで実現したサービスといえます。
そうなんだ。
サービスを利用する条件は、双方の通信回線がフレッツ光ネクストで、ひかり電話に加入していること。また通信端末にも、ひかり電話でセッションを確立するために使う「SIP通信機能」に対応している必要があるんだよ。
何となく分かってきたような気がするけど・・・・。
愛ちゃんもイメージがわいたようだね。
小野田君、FAXの話と概要は説明してくれたが、特長を整理するとどんなものがあるのかな?
図2 特長は3つ!
特長は次の3つです。
FAX通信のメリットは分かったけど、他にどんな利用シーンが考えられますか?
そうですね。これも3つ説明しましょう。
といったところです。
最後にもう1つ補足しよう。
使い道が今のところはダイヤルアップの代替に限られており、料金面で公衆網よりメリットを得るためには「光回線の固定費」などチェックすべき点もあることだ。
でも、データコネクト対応のIP-FAXって期待できるわね。
しかも、既存機種も手を加えれば対応できる(注2)のというのも、楽しみですね。