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IちゃんとP(パパ)小野田君の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

お父さん、今日もNGNの面白い話で「地上デジタル放送再送信の話」だったわよね。

Pパパ

そうだったね。
前回、ひかりTVの話をしたから、フレッツ光や、フレッツ光ネクスト(NGN)等でTV放送が見られる仕組みは分かったと思うので、アイキャストとNTTぷららが提供する「地上デジタル放送の再送信」の仕組みについて話そう。
一言で言えば「アンテナを設置せずに、地上デジタル放送がリアルタイムで見られるサービス」だね。

小野田君

お願いします。

Pパパ

図1にそのしくみを示したからよく見てくれ給え。
図を少し補足するね。

  1. 放送免許は県単位
  2. 例えば、ある県でIP再送信する場合、NTTぷららは、その県に地上デジタル放送IP再送のプラットホームを作る。
  3. そして、その県内の地上デジタル放送の電波を、NTTぷららのプラットホームで受信して、それをIPに変換してNGN(NTT東西)経由でユーザーに「地デジ放送のIP再送信サービス」を提供する

ということなんだ。
つまり、地デジ放送IP再送信は、NTTぷらら社の「ひかりTV」を申し込む事でもれなく利用できるんだね。
ただし、フレッツ光ネクストの提供エリアであること。およびひかりTVの地上デジタルIP再送信エリアであることが条件となるがね。

図1 地上デジタル放送IP再送信のしくみ
地上デジタル放送IP再送信のしくみ

出典・引用:NTTぷららPR資料から作成

Iちゃん

NGN(フレッツ光ネクスト)でないと駄目なんだよね。

Pパパ

そうそう、よく覚えていたね。
NGNでないと駄目なサービスだね。

Iちゃん

でも、その理由が分からないのよね。教えて!

Pパパ

はっはっは。それも話した筈だが「NGNしか“帯域保証”の機能がない」ことだ。

Iちゃん

分かったわ。
でも、このサービスの目的は何かしら?

Pパパ

ほほう、鋭い質問だね。
それはね、いくつもあると思う。

  1. 2011年7月の地上アナログ放送の停止まで、地上デジタル放送を確実に全国に広げること。
  2. 電気通信役務利用放送事業者が提供するIPマルチキャスト放送を、地上デジタル放送の再送信にも活用すること。
  3. 電波が届きにくい地域(難視聴地域)に安定した地上デジタル放送を提供する方法として。
  4. 視聴形態の選択肢拡大のため

などだね。

Iちゃん

どんな放送局のものが「再送信」されるの?

Pパパ

視聴できるチャンネルは、東京都内で始まっている例で言えば、NHK総合・東京、NHK教育・東京、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ、TOKYO MX、放送大学の9チャンネルだ。

小野田君

この地デジ放送再送信やVoDなど、各サービスの伝送速度はどの程度なのですか?

Pパパ

ほほう!小野田君も専門的な質問をするね。(笑い)
地デジ放送のIP再送信であれば、ハイビジョン放送をH.264/AVC*1で圧縮してだいたい14Mbps程度の速度で伝送しているんだね。VoDコンテンツの場合は、およそ6Mbpsから7Mbpsくらいだね。

小野田君

VoDは、地デジ放送の半分くらいの伝送速度ってことですね。

Pパパ

そうだね。そういうことになるね。

Iちゃん

この地デジ放送IP再送信は「インターネット」ではできないの?

Pパパ

ほほう!素朴で鋭い質問だね。
地上デジタル放送をIP化して再送信することはインターネット経由でも可能なんだよ。
でも、ハイビジョン映像を伝送するのに十分な帯域が確保できなかったり、放送地域外からのアクセスの恐れがある、などの問題があるんだ。
しかし、NGNなら「優先制御機能と配信地域を限定したIPマルチキャスト機能」をもつため、そのような問題を解決可能で、IP再送信に適したネットワークといえるんだよ。
地上デジタル放送IP再送信の取り組みが進むことで、難視聴地域での地上デジタル放送の受信も可能になり、デジタルデバイド*2解消への貢献も期待できるというわけだ。

Iちゃん

そうなんだ。
NGNがインターネットに勝つのね。(図2)

図2 地デジ放送IP再送信は「NGN」が勝ち!
デジ放送IP再送信は「NGN」が勝ち!

Pパパ

そう言うことだ。

Iちゃん

でも、パパ!NGNは「フルIPの加入電話網」でもあるのよね。
「電話」で面白い話はないの?

Pパパ

分かった。次回は「NGNと電話の話」をしよう。

*1
H.264/AVC:情報源符号化(デジタル圧縮)技術である。「MPEG-4」から派生したこの技術は日本の放送分野では、携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」などで、通信分野では「ポッドキャスト」に代表されるビデオクリップなどのショートコンテンツのダウンロード再生でそれぞれ使用されている。
*2
デジタルデバイド:Digital Divide(デジタルデバイド)とは「情報格差の問題」のこと。ネットワーク時代になると、世界各国や個人の情報活用力に差がつき、これがもたらす問題のことを「デジタルデバイド」という。

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