IPよもやま話
IちゃんとPパパの会話が続きます。
きょうはね。
一旦休んだ「NGNの話」の続きをしようと思う。
NGNの話で、先送りにしていた「インターネットとの関係や競合」についてだったね。
NGNは、もうサービスが始まったんだよね。パパ!
そうだ、今年の3月31日から始まっていて、いよいよ「NGN時代の到来」と言うわけだ。
お父さん、今日の説明をしてくださる前に、私がお客様から聞かれて「答えを保留」している質問にお答えいただけませんか。
いいとも、言ってごらん。
はい。では、箇条書きで質問事項を書いてきたので、お見せします。(図1)
図1 小野田君のNGNについての質問事項
おやおや、結構あるね。
この回答で、今日は終ってしまいそうだが、仕方が無い。
君のお客様への回答を優先するからね。
(以下、パパの回答を整理した表1を参照)
表1 NGNに対する質問事項の回答
項 | 質問事項 | 回答 |
---|---|---|
1 | 既存IP電話網との違いは? | 既存IP電話網の改良・改善といったら分かりやすいだろう。一番の違いは「網側にQoS(注1)制御機能」を備えていること。このため、IP電話網やインターネットはベストエフォート型であるが、NGNはそうではないといえる。高い安全性や信頼性を実現している点が大きな違いだね。電話の音声品質が従来の加入電話やIP電話より高品質(7kHz)になるのも魅力的だね。 |
2 | NGNの信頼度は? | NTTの幹部は「今の加入電話並みの信頼度=20年に1時間程度のシステムダウンしか許さないレベル」にしたいといっている。エッジルーターの冗長化(二重化)構成や加入電話網と同じように「特定エリアに呼が集中した場合にトラフィック制御を可能にした」り、高信頼度の機器の採用などで、信頼度向上を図っているんだよ。 |
3 | Bフレッツとの違いは? | NTT自身もNGNについて「効用はBフレッツと同じ」といっているが、違いはいくつかある。
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4 | 使用中のボタン電話はNGNに つながるか? | つながります。既存のボタン電話やPBXに接続して、ひかり電話オフィスタイプの利用を可能にする対応アダプタ(Netcommunity VGシリーズのフレッツネクスト対応版)を使えばいいんだよ。(注3) |
5 | 今直ぐNGNに切替えるべきか? | 慌てて切替える必要はない。その理由は
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パパ!1つ聞いていい?
「エッジルーター」って何のこと?
はっはっは。
割込みの割込み質問だね。
エッジとは「一番端っこ」のことで、「加入者の一番近いところにあるルーター」という意味だね。
つまり、加入電話網に置き換えると「市内交換機=端局」ということになる。
NGNは、「エッジルーター」→「コアルーター」+「エッジルーター」の3ポットしかないので、インターネットのようにいくつも渡り歩くホップ数の大きなネットに比べると遅延が数ミリのため、品質が確保されるんだよ。
お父さん、ありがとうございました。
私も、関連して質問します。
高音質IP電話は魅力的ですが、相手がNGN加入者でなくてもいいんですか?
いやいや、高品質サービスは「相手もNGN加入者」でないと駄目なんだ。
質問の5項もそうだが、このへんがつらいところだね。
それにね、高音質電話に対応したIP電話機も現時点(08年5月)では、IP電話会議装置「MEETING BOX」しかないようだしね。
そうですか。
NGNは、普及がすすむにつれてメリットが大きくなるサービスですね。
そういうことになるね。
すると私たちのビジネスにはいつから大きなウェイトを占めるようになりますか?
図2 NGNのビジネス
そうだね。
ざっくり言えば、08年のNGN加入者数は80万程度だが、NTTはFTTHユーザーを2010年には2000万(3000万から下方修正)になるので、2009年度以降になると思うね。
このころは、主要都市へのエリア展開がほぼ終っているので、ユーザー数の拡大も勢いがでてくるだろうからね。
分かりました。
今日は有難うございました。
今回は、君の割り込み質問で「インターネットとの関連などの説明」は時間がなくなってしまったので次回にしよう。
はい、今日はこれでおしまい。