IPよもやま話
IちゃんとPパパの会話が続きます。
パパ、今日はまた「小野田君」と一緒です。よろしく。へへへ。
前回は割込みで「ダイヤル104の副作用」の話を教えてもらったけど、今日は元に戻ってモバイルセントレックスの話にしていいわよね。
いいとも。何を聞きたいのかね?
キャリア3社のモバイルセントレックスについて勉強しましたが、各メーカーが出しているモバイルセントレックスや、モバイルセントレックス化が可能なIP-PBXがありますよね?
うん、うん、それを「自営版モバイルセントレックス」って言うんだよ。
「自営」って何のことですか?
小野田君は若いから、古い電話業界用語は苦手だったね。
ユーザーが、キャリアから購入し、設置工事や保守を任せるやり方を「直営」といって、ユーザーが、メーカーや我々ディーラーから購入し、工事や保守を依頼する方式を「自営」って言うんだよ。
そうかぁ。じゃあ前々回勉強したキャリアのIPセントレックスは「直営」なんだ。
そのとおり。
では、その「自営版モバイルセントレックス」で、営業マンの私が知っておかなくてはならない「ユーザーへの注意事項」を教えてくれませんか?
はいはい。それはいい点に絞ったね。
営業マンは、「商品やシステムを販売するのではなく、顧客に“満足”を売る」ことが重要だと言われるが、とかく未熟な営業マンは「ユーザーの立場」にたつことを忘れるからね。
しかし、注意事項は一杯あるんだよ。
えーっ!そんなにあるんですか?
失敗したユーザーや、失敗したディーラーはありますか?
あるある。なかなか失敗事例は雑誌や新聞などに出ないが、私は一杯知っているよ。
わぁー、それを小野田君に教えて上げて!
優秀な営業マンになって欲しいの・・・。
分かった、分かった。
では、初歩中の初歩から話すことにしよう。
君は顧客の総務部にもシステム部にも顔を出して営業しているかな?
いいえ、なかなかシステム部は、敷居が高くて行けません。
それではそのことで、顧客もディーラーも失敗した事例と成功した事例の話をしよう。
君達は知っているかな?
「総務部長とシステム部長は仲が悪い」ってこと。勿論例外もあるがね。
このことは、日本だけでなくアメリカなどの海外もそうらしいんだよ。(図1)。
図1 総務部長とシステム部長は「犬猿の仲」が多い。
それで、どんな話になりますか?
そうだね。
今回は、そのことで失敗した事例を、成功した話は次回することにしよう。
某サービス業の顧客の総務部長はある日、役員会議で「LANの再構築」にあわせて「既設PBXも更新する」システム部長の提案が、承認されてしまって大慌てしたんだよ。
どうして、システム部長が音声を扱うPBXまで計画に入れたのかしら?
越権行為じゃないの?
実は、そのシステム部長は「某ビッグキャリア」の営業部長と親しかったんだね。
LAN再構築の提案書には、IP-PBXがLANの中に「1つの四角形=ブラックボックス」で書かれていただけなんだ。(図2)
音声系には弱い「システム部長」が、「PBXは私の担当外なんだが・・」というと、
キャリアの営業部長が「いいえ、これからは、IP-PBXでLANとの連動は不可欠ですし、第一に安価です。是非、一緒にご採用を!」といい、システム部長を口説いてしまったというわけだ。
図2 ブラックボックスで書かれたIP-PBX
そうか。そのとき両部長が「仲良し」だったら、「事前相談」があったでしょうにね。
それで、失敗したんですか?
失敗点は、いくつもあった。
そうだったんだ。
じゃあ、小野田君が担当だったらどうしたらよかったのかしら?
図3 重要なシステム部への営業
そうだね。
だろうね。
ユーザーも「システム部」とか「総務部」とかいった「垣根」に拘らず、会社のために仲良くすることがIP時代の大きなテーマになってきたね。
そうだね。もう、このことが無くても既に規制しているホテルもあるし、規制しようとすれば、PBXの保守会社に連絡するだけで、簡単にデータで変更できるから大丈夫さ。
小野田君の会社で保守しているホテルを全数チェックするように、教えてあげなさい。
そうですね。
私も「敷居が高い」などと言っていたら商談は逃げて行ってしまいますね。
貴重なノウハウ、ありがとうございました。