IPよもやま話
IちゃんとPパパの会話が続きます。
パパ、ごめんなさい。
この前、次回は「WiMAX」、次々回は「Bluetooth」にしよう、って約束したけど、「Bluetooth」は、もう教えてもらっていた(第22回)し、今日はどうしても教えて貰いたいことがあるの。
いいかしら?
しかたの無い子だね。
何んなんだい?聞きたいことって?
だいぶ以前(第13回〜15回と第17回、)に「FMC」や「IPセントレックス(モバイルセントレックス)」について、教えて貰ったんだけど、「IPモバイルセントレックス」が急速に普及していくらしいわね。
それで、セントレックス関連の事を勉強したいの!
「モバイルセントレックス」のことを「FMC」って言う人もいるようね。
それはいいが、どうして再び「モバイルセントレックス」を勉強したいんだね?
本心は別のようだね。(笑)
いつもの理由よ。(笑)
友達に聞かれているの。
彼(小野田君)は、通信機ディーラーに就職したんだけど、早速、商談があって勉強したいらしいの。実はね、今日ここにきてるの。一緒に教えて欲しいって!
イヤハヤ、君のボーイフレンドまで面倒見る羽目になったか。(笑)
しかし、FMCが最近大きなキーワードになってきたから、テーマとしてはいいね。
仕方ない、小野田君とやらをここへ呼びなさい。
初めまして、小野田です。よろしくお願いします。
早速ですが、「セントレックス」の意味から教えてくれませんか。
セントレックス(Centlex)は、アメリカで1960年代に生まれたんだ。
アメリカは、9.11事件ではないが「高層ビル」が林立しているよね。
そこへ、加入電話やPBXの外線を敷設するのは大変なので、ビルの中に「電話交換局的」なものを作ってしまい、テナントには「電話機だけ設置する“PBX不要システム”」が生まれたんだよ。
意味は「Central」(中央)と「Exchange」(設備)の合成英語だね。
えーっ!
IPセントレックスの前にセントレックスがあったのー?
日本にもあったの?
あったとしたらいつ頃からなの?
興奮して機関銃のように質問するね。(笑)
日本にもあったんだよ。いまから20年ほど前かな、当時の電電公社がサービス提供したんだ。今では当たり前の「ダイヤルイン機能」が、民間(自営)には許されていなかったので、「ダイヤルインを基本にするセントレックス」は、人気があってね。一世を風靡したものだ。「ビル電話」という言い方もあったね。
そうだったんですか。
でも、いまはあまり使われていないですよね。
そう、民間(自営)でも、「ダイヤルイン」が開放になったので、セントレックスは、経済性や機能面で劣る理由もあって、どんどん無くなって、いまは、殆ど使われていないね。
では、どうしてIP時代になって「再登場」したんですか?
私には「IP網とサーバー技術の発展」が大きな理由だと思う。
キャリアが「大きなセントレックスサーバー」を「網側」に設置して、IP網を使って全国の拠点を一括集中制御できるようになったからだ。
「IPセントレックス」と「IPモバイルセントレックス」は違うんですか?
広義の意味が「セントレックス」で、内線にPHSや携帯電話が使えるシステムを「モバイルセントレックス」と言う、と理解し給え。
図1 4種類ある!
すると、セントレックスには、誰が設置するかで直営と自営の違いがあって、それぞれに端末で「セントレックス」と「モバイルセントレックス」の2種類があるので計4種類があるってことね。(図1)
ほほー、流石、小野田君より「この道の先輩」だね。
よく纏めた。そのとおりだよ。
それを分かり易く図にしたものがあるので、見せよう。(図2)
図2 IPセントレックスのシステム形態(種類)
有難うございます。
「セントレックスの定義と種類」について、よくわかりました。
次回は「モバイルセントレックス」について、「FMC」の話とも関連して教えて下さい。
いいとも。