IPよもやま話
IちゃんとPパパの会話が続きます。
寒くなってきたね。寒くなると「暑い夏の方がよかった」と思うんだから、人間て勝手ね。ところで今日は「SPIT」の話だったわよね。
そうだったね。
「SPIT」とは「スピット」と発音するんだ。「スピッツ」と発音すると犬になっちゃうからね。ハッハッハ!
冗談言ってないで真面目に教えてよっ!
叱られてしまったね。
では迷惑メールのことを「スパム(Spam)メール」と言うのは知っているね。
SPITは、そのスパムで「Spam over internet telephony」の略でね。
スパム・メールの飛び火で発生した、IP電話での「いたずら電話」のことを言うんだが、約1年位前に現れてきたんだ。
あら、まだそんなに騒がれていないじゃないの?
そうだ。しかし、これから蔓延する恐れもあるんだね。
その前に「法的な規制」も視野に入れなくてはならないなど、検討は始まっているよ。
そうなんだ。
でも、その内容を教えて!
SPITには、3つの形があるね。
図のように
1つ(1)は、「悪意の有無」にかかわらず、「通話チャネル」に妨害を与える
2つ(2)は、自動的に「いたずら電話」を発信する
3つ(3)は、「自動的に広告など」を送りつけてくる
だね。
じゃあ、いまもある「迷惑電話」「いたずら電話」と同じじゃない。
いやいや、それが今の固定電話より始末が悪いんだ。
その1つは、IP電話は(同一電話会社なら)通話料が無料ということだ。
いまの固定電話なら、発信者がお金をかけることになるので、それがブレーキ(抑止効果)になっている一面もあるね。
2番目は、IP電話の番号計画にある。
Iちゃんも知っているように、IP電話は“050”+(事業者番号“XXXX”)+(加入者番号“YYYY”)だよね。
あー。分かった!
同じ電話会社の人、つまり“XXXX”が発信者と同じならタダだし、勝手にダイヤルする「いたずら電話」が無料でどんどんできるってことよね。
そうだ。頭がいいね。顔だけじゃないね。ハッハッハ!
茶化さないでよ。
(図)SPITのイメージ
SPITと迷惑メール、固定電話の迷惑電話の3者を比較すると、表のように整理できるね。
よく分かったわ。
迷惑メールにも悩まされたけれど、SPITに悩まされるようになるのね。
困ったものだわ。
でもね、いまのうちにその芽を摘もうと、既に対策は始まってはいるんだ。
制度と技術の両面でね。
NTTコムのSPIT(連続的に多数の呼の発生等)があると、ユーザーとの契約を破棄するとか、業界全体が情報を共有するとか、着信拒否サービスとかね。
法の規制も検討されているから、その動きにも注目したいところだ。
有難う。
少し利口になったわ。さすがパパね。
誉めてくれて有難う。
じゃあ、次回ですが「IP電話の“盗聴”」について教えて欲しいの。
先日、お友達に聞かれたんだけど答えられなかったから・・。
おやおや、また、君がテーマを決めたね。(笑い)
表3者(SPIT、迷惑メール、迷惑電話)
SPIT | 迷惑メール | 迷惑電話 | |
---|---|---|---|
メッセージの形式 | VoIPを使った音声メッセージ | テキスト・メッセージ | 音声または録音音源 |
迷惑度 | 大きい(電話をとるまでSPIかどうか不明) | 大きい(内容が不要で迷惑、本来必要なメールが埋もれる) | 大きいが「防止策はある。相手はナンバーディスプレィサービスは使わないのでおうつするまで不明 |
一定時間当たりの送信可能数 | それほど多くは無い(音声なのでメッセージが長い) | 相当多い(メッセージ速度が早い) | それほど多くない(メッセージが音声なので長い) |
送信コスト | 安価で容易 | 同左 | 相当必要(従量課金制=呼数に比例) |
送信先アドレス、着信先番号の推測の容易性 | 容易に推測または入手できる(050の後のキャリア名も) | SPITよりは推測・入手がし難い | 容易(電話帳・104等では入手は容易) |
防御策 |
| 特に有効手段なし |
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