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I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は小野田君が勉強してきた「自営モバイル網の話」をしてくれるのよね。
勉強大変でしたか?

小野田君

えー大変でした。
新型コロナウィルス対策で「在宅勤務(テレワーク)」でしたので上司の許可を貰って、このテーマの勉強に時間を割きました。

Pパパ

そうか、ではその成果を発表してくれないか。

小野田君

ローカル5Gの勉強はしましたよね。
ローカル5GやプライベートLTE(sXGP,自営BWA)のような「モバイル自営網」が総務省の法制度化によって、通信事業者ではないシステムインテグレーター(SI事業者)でも構築ができるようになったんですね。

Pパパ

そうだ。例えば日立システムズネットワークス(現:日立システムズフィールドサービス)(以下:(HISYS-FS))などだね。これまでの「無線通信での自営網」は、無線LAN(Wi-Fi)やLPWA(LoRaWAN)(*1)、テレフォニーネットワークだと、構内PHS(PHS内線のPBX等)しか対象じゃなかったよね。

小野田君

そこで、(HISYS-FS)のAさんにいろいろ教えて貰いました。

Iちゃん

いま新型コロナウィルス騒ぎだから,(HISYS-FS)も「テレワーク」をしていて不在じゃなかったの?

小野田君

そこで(HISYS-FS)のAさんとオンラインインタビューをしました。
(HISYS-FS)は、これまでの無線ネットワークの構築のノウハウや実績を活かして、モバイル自営網構築を考えている企業へ、ビジネス展開するのだそうです。
それは、機器販売、ネットワーク構築作業だけでなく、電波環境測定、置局設計、免許申請代行、ネットワーク最適化設計などの構築支援を日立システムズと日立システムズフィールドサービスと連携し、適切な設置工事や保守・運用などのサービス提供をすることを計画されている、と聞いたので勉強してきたのです。

Iちゃん

そう、じゃあ本題に入って!

小野田君

図1 自営モバイル網
図1 自営モバイル網

では、最初に2つのキーワード「①自営BWA」と「②sXGP方式SxGP」について、お話します。
自営のモバイル網として、この2つのキーワードはローカル5Gと共にこれから大いに期待されるところです。それを勉強してきました。

Iちゃん

私には初めて聞くキーワードだわ。楽しみ!

小野田君

まず、愛ちゃんのために、2つのキーワードの概要から説明を始めます。
最初は「自営BWA」です。これは「プライベートLTE」とも呼ばれているんですが、その説明には「地域BWA」を理解してもらう必要がありますが、愛ちゃんは「自営」の意味が分かりますよね?

Iちゃん

もちろん分かります。
もう死語になっちゃったようだけど「自営PBX」って言葉がありましたよね。
PBXを設置するのに、NTTなどに頼まずに、自らの会社で購入、設置し保守もやる形態をいいました。NTTなどに頼むのを「直営」っていうんですよね。
だから、「自営BWA」も自分(企業など)で設置する形態のことでしょう?

小野田君

そうです。

Iちゃん

でも、ちょっと待って!まず、BWAって何のこと?それが分らないわ。(笑)

小野田君

地域BWAのBWAとは、「Broadband Wireless Access」の略です。日本語では「地域広帯域移動無線アクセス」といいます。このシステムは、2.5GHz帯の周波数の電波を使用して、地域の公共サービスの向上やデジタル・ディバイド(条件不利地域)の解消等、地域の公共の福祉の増進に寄与することを目的とした電気通信業務用の無線システムです。ちょっと説明が固かったかな。

Iちゃん

うーん。分かったような気がするけど、なぜ「地域BWA」を先に勉強しないといけないの?

小野田君

地元に密着した無線通信サービスを提供している地域BWA用の周波数帯2,575-2,595MHz(20MHz幅)を、地域BWAが利用していないか、あるいは近い将来利用する可能性が低い場所に限って、企業などが自営無線で利用できるようにするのが「自営BWA」だからです。

Iちゃん

えーっ、まだ「地域BWA」が分かっていないけど、その周波数帯を使うから、地域BWAで使っていないとか使う予定がない場合に限って使えるの?

小野田君

そうです。

Iちゃん

じゃあ勝手に「自営BWA」は構築できないのね?

小野田君

そうです。前回勉強した「ローカル5G」も「自営BWA」を開始するのも総務省への免許申請が必要なんです。

Iちゃん

わかったわ。じゃあ話を本題に戻して説明を続けてください。

小野田君

では、質問の「地域」についてですが、地域BWAのサービス区域は、1つの市町村の行政区域の全部又は一部、都道府県の行政区域の一部などを対象としています。図2を見てください。

図2 地域BWAサービスの対象地域
図2 地域BWAサービスの対象地域
出典:総務省電波利用ホームページに自営BWAを加筆

地域BWAシステムは、これらの対象区域において、地域の暮らし・防災情報の配信、児童・高齢者見守り、学校などのネット利用、交通機関の運行情報、商店街監視カメラなどの映像伝送、条件不利地域の解消など、地域住民のためのサービスの実現を通じて、地域の公共の福祉の増進に寄与するために用いられるものです。

Iちゃん

それと自営BWAとはどんな関係にあるの?

小野田君

先ほどいいましたが、自営BWA(Broadband Wireless Access)は、地元密着型の通信サービスを提供する「地域BWA」用に割当てられている2.5GHz帯の帯域を「地域BWAで使われていなくて、かつ使われる予定がない場所」に限って、自営無線として利用できるネットワークなんです。

Iちゃん

だったら「すでに自営BWAが帯域を利用している場所で、後から地域BWAが帯域を利用しようとする場合は、どうなるの?

小野田君

その場合は、「総務省や第三者を交えた話し合いの場を設けるなどの措置が必要」だそうです。

Pパパ

現状では、多くのエリアで自営BWAの利用は可能なんだが、システムを継続的に運用できる保証がないと、自営BWAの普及は進みにくい一面はあるよね。
ただ、自営BWAは端末にLTEを使うことから「プライベートLTE」とも呼ばれると説明があったが、日本にはこれまでLTEを自営無線で利用できる制度がなかったが、自営BWAが制度化されたとで、企業などがプライベートLTEの展開に動き出す可能性が出てきたともいえるね。

Iちゃん

そうなんだ。

Pパパ

総務省ではローカル5G検討作業班で自営BWAの検討を行っているんだが、その理由として、5Gで利用される高い周波数帯、とりわけ28GHz帯は電波の到達距離が短く、単独で面的なエリアを構築することが難しいことを挙げている。より電波が飛びやすい2.5GHz帯のBWA(LTE)とローカル5Gを組み合わせることで、実用的な自営5G網が構築できると考えているんだね。

小野田君

そこでおさらいですが、
① 自営BWA(プライベートLTE)とはモバイルキャリアの設備を利用せず自営の設備で自社/個人専用のLTEネットワークを構築する仕組みです。実用的な「自営5G網」が構築できます。
② プライベートLTEは、Wi-Fiの「通信料が発生しない」というメリットを包含しつつ、認証にSIMを用いることで高セキュリティを、さらに公衆ネットワークを経由せず専用で利用できることから高速、高信頼、低遅延を担保できます。
③ これからの普及が期待されます。

Pパパ

そうだね、これからは、ローカル5GやWi-Fi6、sXGP方式(プライベートLTE)など、通信技術はますます進化・多様化する時代になっていくね。

小野田君

そうですね、それに関連した話で、HISYSグループではその動向を踏まえて「顧客のニーズや業務環境に適したネットワークシステムや、新たなデジタルサービスを提供していくため、社内に「5Gの次世代無線通信実験局」を今年(2020年)4月に開設したそうです。
これをベースにして、デジタル技術を活用した経営革新に取り組む顧客に対してワンストップサポートの提供をめざしていくそうです。

Pパパ

それが、これからの通信系ディーラーというかシステムインテグレーター(SI事業者)の新しい方向だと言えるね。
ただ、そのためには、従来の無線ネットワークとは異なる電波特性を踏まえた適切な通信設計、所管当局への免許申請の手続き、近隣の地域広帯域移動無線アクセス(地域BWA)等との電波利用の調整、適切な設置工事、実際に利用される際の保守・運用やセキュリティの確保など、構築や運用において多くの知見やノウハウが必要なので、体制整備や能力の確保がないといけないがね。

小野田君

そうですね。
その覚悟というか意気込みをAさんから感じ取ってきましたし、HISYSグループはそのビジネス展開でリリースも出していますね。今日は時間の関係で「自営BWA」だけで「sXGP方式」は、次回にさせて頂きます。愛ちゃん、今日は理解できましたか?

Iちゃん

はい、良く理解しました。
すると次回は「sXGP方式」についてですね。
次回も期待しています。

*1
LPWA(LoRaVAN):Low Power Wide Areaの略で、「低電力で長距離の通信ができる」通信方式で、IoTの構成要素の1つとして注目されている。
*2
LTE:Long Term Evolutionの略.現在の第3世代携帯電話(3G)を進化させた通信規格で、「3G」の「長期的な進化」形であり、「3.9G」。「4G」と呼ばれることもある。

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