IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は「電話の特番の話」です。
今回は不肖、言い出しっぺの私が担当します。
はっはっは。よく調べてきたろうね。
そもそも「特番」の意味は何なの?
図1 特番とは
はい、そこから調べました。
用語の「特番」には2つあります。
1つは、一般の人が「特番」と聞くと「テレビやラジオの通常の番組とは別に制作した“特別番組”」と思うでしょうね。
2つ目は「電話の世界で特定用途のための電話番号」です。
通常の用途とは異なる特別な電話番号のことで、前回勉強した緊急通報の110、救急・消防の119が代表的です。
こちらが今回のテーマです。
そうだ。
それで正解だが、「PBX(∗1)の世界での特番」というのもあるね。
愛ちゃんが知らなければ、小野田君応援してあげてくれないか。
はい、PBXには特有の特番があります。主なものは内線からかける特番で
“0”:外線発信のときのプレフィックス(頭につける番号)
“9”:オペコール(交換手がいる方式の場合)
“X”:専用線発信プレフィックス(先方の番号の頭につける番号=相手の局番)
“∗”:短縮ダイヤル発信プレフィックス(短縮ダイヤル発信の際頭につける番号)
などがありますね。
PBXの規模や適用業種などによっては、たくさんあるが、今回はテーマから外れるから、本題に戻ろう。
では、NTTの特番の話に戻ります。
いろいろわいてきた疑問を自分なりに調べてみました。面白かったです。
それを表1に整理しました。
表1 NTT特番のQ&A
はっはっは。
調べ切っていないではないか!
では、まず3項の「なぜダイヤル“1”が使われるのか」を教えよう。
愛ちゃんは、回転ダイヤル式の電話機を使ったことがあるだろう?
今の電話機はどの数字も押すだけだから関係ないがね。
図2を見てご覧。
図2 なぜ“1”が使われた?
そうかぁ!
ダイヤル式電話機は、ダイヤルが回転して戻る間に「ダイヤルパルス(信号)」が出るんだったわよね。
ダイヤル“0”(10パルス)だと1秒かかってしまうので、火事やドロボーのとき早くつながって欲しいものね。
3桁目の“9”は時間が少しかかっても、落ち着いて貰うためさ。
また、最後に“9”を採用したのは、当時、「9」という地域番号が使われていなかったこともあるんだ。
なるほど。
4項の理由と代替手段についても教えて!
うん、前回も勉強したが「緊急通信発信に必要な機能」は
① 管轄の緊急通報受理機関(警察、海上保安庁、消防)へ接続する機能
② 発信者の位置情報等を通知する機能
③ 回線を保留または呼び返し等を行う機能
の3点をクリアする必要があるんだが、050 IP電話には「発信者の位置情報等を通知する機能」が備わっていないため、緊急通報をかけられないんだよ。
そうですか。
「通信料金が安価なので050-IP電話にした加入者」は、困ってしまいますね。
うん。
しかし、代替機能があるからそれで対応するんだね。
それはね、「最寄の警察署・消防署などの電話番号を連絡先に登録しておくこと」だ。
そうかぁ、“110番”や“119番”と違って、通常の固定電話番号宛に発信するので、IP電話でもかけられるんだ。
050 IP電話は通話料が安く、格安SIMと組み合わせると通信料金を抑えられるなどのメリットもあるサービスだけど、緊急通報の手段を確保しておく必要があるってことね。
そうだ。
もう一つの裏技もあるよ。
スマホの活用法だが、外出時や旅先での万一に備えて「緊急通報ナビ」というアプリをインストールしておくと便利だよ。iOS版/Android版がリリースされているので、地図上の現在位置から自動的に周辺警察署の所在地や電話番号を調べてくれるんだ。
こちらも警察署の固定電話番号あてに直接連絡する方法になるが、IP電話からの緊急通報手段として活用できるよね。
緊急通報ではないが、この際、もっと細かいことを言っておくとね。
携帯電話会社によって、“117”や“0120”など緊急通報以外でかけられない番号も微妙に異なるから、IP電話運営元の公式サイトにはかけられない番号の一覧が記載されているので、契約前に必ず確認しておくことが必要だね。
援護射撃ありがとう!
愛ちゃんの勉強会はこれで終りかな?
はい、終りです。
図3 #7119ダイヤル
では、時間が余ったので、少し脱線するがいいかな。
緊急通報関係の特番で「#7119」を知っているかな?
いいえ、知りません。
このダイヤルをプッシュすると東京消防庁の救急相談センターに繋がり、専門の救急相談医が次のような対応をしてくれるんだよ。
① すぐに救急車を呼んだ方がいい症状かどうか、協力医療機関の救急相談医が緊急性を判断。必要であれば救急相談通信員が救急車を出動要請してくれる。
② 緊急性が低い症状でも、病院への受診が必要かどうかのアドバイスをしてくれる。
③ 受診可能な病院を検索し案内してくれる。
あ、そうそうこのサービスは東京都と一部の地域しかサービス提供されていないので、その点は要注意だが・・・・・・。
あ、それから、救急車をタクシー代わりに呼ぶ人、つまり緊急性が無いのに救急車に頼る人が多くて、困っているという話も聞きました。
いきなり“119番通報”をしないで“#7119番”すべきかもしれませんね。
蛇足の蛇足になるかもしれないが、子供さんの救急相談の場合は特番「#8000番」でも対応してくれるよ。全国共通だから東京都以外でもOKだ。
子供の症状に応じて対処の仕方のアドバイスや受診可能病院の案内、救急車を呼ぶべきかどうかを助言してくれるんだよ。
あーぁ、何だか今日は教えて貰う方が多かったような気がする。
ごめんなさい。
いやいや、愛ちゃんとしてはよく調べてきたよ。
次のテーマは何にするかな?
お願いがあります。
新年度になって、私の会社にも新人が入社して部下が出来て嬉しいのですが、どうも「電話恐怖症」のようです。私とあまり年齢差が無いのに、少し困っています。
先日勉強したSNS世代だからでしょうか?
その辺の現状と解決策を教えてくれませんか?
うん、それは私の方が毎年感じていることだ。
IPの時代は「携帯・スマホ・メール・SNS等」がコミュニュケーションの主役の時代だからね。少し現状分析と対処法を勉強するか?
小野田君も問題点を整理してきてくれないか。
はい、分りました。
よろしくお願いします。