IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は「コネクテッドカー」の話よね。
「車好き」の小野田君が説明してくれるんだったわよね。
そうです。
車のことならお任せ下さい。
まず「コネクテッドカーとは何か?」について説明します。
愛ちゃんは何のことか分かりますか?
ネーミングからしたら「何かに繋がってる車」って思うけど、何に繋がっているのかな?
インターネットかな?
そしたら車が「IoT端末」になるってこと?
ホホー、鋭いですね。
ほぼ正解ですが、コネクテッドカーとは、自動車にインターネット通信機能を付加したというだけでなくて、生活の中のひとつの情報端末として利用者の利便性を高める道具(デバイス)ととらえた方がいいようです。
一言で言えば「ICT端末(*1)としての機能をもっている自動車のこと」ですね。
具体的に説明してくれる?
そうですね。
私の作った図1を見て下さい。
車にセンサーを内蔵してIoTやクラウド接続で、いろいろな事が実現できるようにした車と言えます。
車がIoT端末になったような形に見えるけど?
そういう一面があります。
図1 コネクテッドカーのイメージ
コネクテッドカーって、あまり聞いたことが無いけど、新しいキーワードですか?
いいえ、そうでもないんです。
2015年の「東京モーターショー」で、新しいキーワードとして取り上げられたので、もう生まれて2年経ってますね。
でも、最近注目され始めているんです。
それって、IoTの時代になってきたからかな?
そうですね。
コネクテッドカーが最近注目されている背景は、図2に示しましたが3つあります。
1つ目は、「無線通信の高速・大容量化によって、リアルタイムでかつ容量の大きなデータを送受信可能になったこと」です。
第2は?
第2は、「車載情報通信端末の低廉化や同等アプリを搭載したスマホ等での代替化が進んでいること」です。
第3は?
図2 コネクテッドカーが注目されている背景
出典:情報通信白書(平成27年度版)(総務省)から作成
第3は、「クラウド・コンピュ―ティングの普及によって、データの迅速かつ大容量な生成・流通・蓄積・分析・活用が可能となり、ビッグデータの流通が大幅に増加してきたこと」です。
それで、コネクテッドカーってどんなことが出来るようになるのかしら?
そうですね。
図1にも示しましたが、主な実現するサービスを整理すると、表1のようになります。
表1 コネクテッドカーで実現するサービスの例
出典・引用:情報通信白書平成27年版(総務省)他
図3 緊急通報システム
出典・引用:情報通信白書平成27年版(総務省)を元に藤島作成
表1の2項の「緊急通報システム」については、図3を見て下さい。①、②、③、④の説明をします。
①は、緊急通報です。
エアバック等のセンサーが事故発生を探知した場合や、車両の緊急通報ボタンが押下された場合、その直後に欧州圏内の緊急通報番号"112"に発信します。
②は、「位置特定」です。
事故発生位置(GPS座標)とともに、車両の進行方向や車種等の車両情報を最寄の緊急情報センターに送信します。
③は、緊急通報センターです。
オペレーターが事故の場所等をモニターで確認した後、事故車両の乗員と会話により事故情報を取得します。なお、乗員から全く反応が無い場合は、即座に救急サービスを派遣するんです。
④は、「迅速な救助」です。
自動通知により、救急車両は従前よりも迅速に事故現場に到達でき、生命の安全確保につながるんですね。
そうか、コネクテッドカーは、事故時の人命救助にも役立つってことね。
そうです。続いて、図4を見て下さい。
盗難車両追跡システムについて説明します。
コネクテッドカーなら盗難にあっても「直ぐに見つけてくれる」ってこと?
図4 アラーム通知から警備員派遣までの流れ
(出典)トヨタ自動車ホームページを元に藤島が作成
そうですね。表1の4項で説明していますが、図4を見ると早く理解できます。
コネクテッドカーはIoT関連でもあるが、これから普及するだろうね。
日本の自動車メーカーの取り組みは調べたかな?
はい。調べました。表2を見て下さい。
表2 コネクテッドカーの日本の自動車メーカーの取組み
出典:クリッカー7周年用(2017.4.30)と47NEWS(2017.5.30)を引用して作成
そうか、良く調べてきたね。
お疲れ様。
また、私が次回のテーマをリクエストしていいかな?
コンピュータに「2038年問題」があるって聞きました。
先の話だけど、何のことですか?
分りました。
次回は私が受け持とう。
約20年後だけど、私は65才くらいだから、まだ働いているしパソコンも使っているだろうからね。