IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は「在宅勤務」というか「テレワーク」がテーマですが、私が担当します。
はい、ご苦労様。
テーマとしては新しいものとは言えないけれど、ちゃんと勉強してきたかな?
図1 テレワークのイメージ
はい、うっかりテーマの提案をしたので、お鉢が回って来ましたが真面目に調べて来ました。
はっはっは。
テレワークの方が範囲が広いんだよ。
「在宅勤務」は「テレワークの一部」だよね。
では、「テレワークの意味」から説明してくれないか。
図2 テレワークとは
出典・引用:日本テレワーク協会資料を参考に作成
はい。
パパに先に言われてしまいましたが、その辺も含めて「テレワーク」の意味を説明します。
先ず、用語の意味ですが
テレワーク=テレ(Tel)+ワーク(Work)
の造語なんです。
そして分りやすい図があったので、引用します。(図2)そして、その説明は表1を見て下さい。
分かり易いが、ずるいね。
単なる引用じゃないか。
でもちゃんと調べて、協会の方とも会話したのよ。
表1 テレワークの内容
出典・引用:日本テレワーク協会資料を参考に作成
でも、良く見るとテレワークは働く場所によって、
① 自宅利用型テレワーク(在宅勤務)
② モバイルワーク
③ 施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)
の3つのスタイルがあるってことだね。
はい、そこで今企業にどのくらい普及しているのか調べてみました。
世の中どうなっていますか?
それがね。総務省の平成28年度の情報通信白書によると「テレワークの普及状況」のデータがあるんですが、図3のグラフのように2012年をピークに減少傾向にあるみたいです。
そうなんだ。
「在宅テレワーカーの数」が減少しているんだね。
何故だろう?
図3 在宅型テレワーカー数
出典:国土交通省「平成26年度テレワーク人口実態調査」
そのことなんだけど、平成27年の情報通信白書によると、それが図4ですが、「適した業種が無い」という企業がなんと40%以上もあるし、導入予定が無いという企業が37%強で合わせると80%近く(78.3%)にもなるのよ。
へぇー、そうなんだ。
導入済みが約8%、導入検討中が約14%だね。
それはね、1つには「従業員がテレワークの勤務を希望しても、勤務先にテレワークを可能にする制度や仕組みがないので実施できないということも考えられるね。
図4 企業におけるテレワークのための制度・仕組みの導入状況(全体)
出典:総務省平成27年情報通信白書
元データ:総務省「地方創生と企業におけるIoT利用に関する基礎研究」(平成27年)
小野田君自身は在宅勤務をしたいと思いますか?
そうですね。
その日の仕事が資料作りだけだったら、会社に行かないで自宅でやった方が通勤時間もかからないし効果的だと思いますね。
そうよね。そんなこともあって総務省では「テレワーク」は、ワークバランスの実現に向けた働き方改革の重要なツールなので、その推進強化を平成28年度のワークバランス強化月間を7月と8月に「推進強化月間」として「テレワークウィーク」に設定して、職員の積極的な利用を促しているそうよ。
へーぇ、そうなんだ。
具体的には?
毎年7月の特定の一週間を「総務省テレワークウィーク」に定めていて、平成28年は7月11日(月)から15日(金)に設定して実施したんですね。
利用職員を昨年の実績1078名の約1.2倍の1300名(本省中心)にしたそうです。
何が目的なの?
そうですね。調べたところ「省内におけるテレワーク機運のさらなる醸成と、他省庁や民間への波及効果を期待」し、平成27年度から始めたんだそうです。
そして、テレワークなどICTを活用した働き方改革を組織の経営戦略として実施することによって、組織の底力を向上させ、国民に対し、より質の高い行政サービスを提供していくんだそうです。
しかし、テレワークの実施には、メリットも多い割りにデメリットや課題も多いように思うけど?
そのとおりです。
メリットとデメリットを調べてみました。
どちらも4つあります。
先ず、メリットは図5に示したが、①通勤時間の問題です。満員電車で1時間以上通勤するような「通勤地獄」から開放される点は大きいわよね。その通勤時間自体の節約もポイントですね。私もいま、1時間15分かかっているけど、これがゼロになるなんて夢のようだわ。
図5 テレワーク(在宅勤務)のメリット
②の労働条件はね、例えば育児中の主婦や主夫とか、家族の介護する人とか、障害などで通勤困難者などは助かりますね。③の通勤場所不問は、自宅と会社の郷里に制限がなくなるので、どこに住んでもいいことになりますよね。私なら、自然豊かな別荘地みたいなところに住んで「在宅勤務」をするわね。
④は、会社の机や備品等が不要になる等のコストメリットです。
はっはっは。
気ままな愛ちゃんでは、会社が心配で「在宅勤務」させてくれないかもしれないよ。
デメリットは何ですか?
やはり4つあります。図の6になりますが、まず①の「公私の区別」は、自宅で仕事をすると仕事とプライベートの区別がつけ難くなりますよね。上司の監視もないので、うっかりなまけてしまうかもしれませんね。
図6 テレワーク(在宅勤務)のデメリット
はっはっは。愛ちゃんならその通りになるな。
そんなことはないわよ。プン!
②の「コミュニケーション不足」は、近くに上司や同僚がいないので、「会話不足」になって、ちょっとしたことで相談などもできないし不便になりますよね。
そうですね。
仕事を終えた後の「飲みニュケーション」も不足になりますね。
それはともかく、上司は「勤務態度」を見ることも出来ないので「成果物評価」だけになってしまい、評価も難しくなると思います。それが③です。
④のセキュリティは、会社のシステムではそれなりの対策がとられていても、家庭のパソコンではせいぜい「ウィルスバスター程度」なので、セキュリティの心配もありますね。
何事にも「メリットとデメリット」はあるものだ。
「デメリットの解決」も図りながらメリットを生かすような「テレワーク」を実践していくことだね。
国のレベルでも「働き方改革」として「政府がガイドライン策定」をすることになったんですね。このことはNHKの朝早いニュースで見たことなんですが・・・。(*1)
ほほう、私は見逃してるな。どんな内容?
はい。政府は「働き方改革の一環」として、テレワークを推進するとともに、病気の治療と仕事の両立し易い環境を整備するために、労働時間の管理のあり方や職場で求められる配慮などを示した「ガイドライン」を取りまとめることにしたんです。
そうね。最近は「電通」の残業過多による自殺者と労災問題などがクローズアップされているしね。
安倍内閣が重要課題として掲げる、働き方改革の一環として、政府は、より多くの女性や高齢者に働いてもらうとともに、労働生産性を向上させようと、テレワークを推進して、病気の治療と仕事を両立しやすい環境を整備するためガイドラインを取りまとめる方針を固めたんだそうです。
その中で「テレワーク」に関係した内容を教えてくれない?
あらっ!いつの間にか私が聞き役になっちゃったわ!
いいですよ。
この中で、テレワークについてみると、自宅以外で働くことも想定して、労働時間の管理方法を示すほか、実際に働いた時間にかかわらず、一定の時間働いたものとみなす「みなし労働時間制」を適用できる要件を見直すとしていますね。
そして政府は、テレワークを含めて、病気の治療と仕事の両立環境の整備などや労働時間の管理方法、健康保険や厚生年金保険料の算出方法などを整理し直すなど、ガイドラインの策定をする方針を固めたのだそうです。
有難う!
次回のテーマは「ネット炎上」について教えてくれないかな。
私のお友達から、ネットにアップするときは「注意が必要よ。炎上するから」って言われたの。
了解しました。