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Hitachi

I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今回は、私が貰った宿題の発表ですね。

Pパパ

そうだ。
「自動運転車と5G/IoTの話」だったね。
ちゃんと勉強してきたかね。

Iちゃん

えー。ちゃんと勉強してきたのでバッチリです。
もっとも、小野田君にも手伝って貰ったけど・・・。

Pパパ

図1 自動運転車時代到来?
図1 自動運転車時代到来?

そうか、では「自動運転車」とは何かから説明してくれないか。

Iちゃん

自動で運転する車のことで、「自動走行車」とか「ロボットカー」とも呼ばれます。
英語では「autonomous car」と表記されるそうです。

Pパパ

「無人運転車」とは言わないのかい?

Iちゃん

「UGV (unmanned ground vehicle)」「ドライバーレスカー (driverless car)」「self-driving car」などとも呼ばれることもあるけど、将来は別として今の日本では「運転手がいること」が原則なので、専ら「自動運転車」と呼ぶのが主流のようです。

小野田君

わが国(日本政府)の定義では、レベルが「1〜4」まであって、究極はレベル4の「完全自動運転」で「運転者が全く関与せず運転する」となっていますが、運転者同乗と無人の2段階があります。

Pパパ

よく調べたね。
流石の私もそこまで知らなかったね。

Iちゃん

そのことを小野田君が表に纏めてくれました。(表1)

表1 自動運転車のレベル
表1 自動運転車のレベル

Pパパ

IPとは関係ないが、知識として知っておきたいんだが、最近の車には「ハイブリッド車」「電気自動車」や「燃料電池車」と言った「エコカー」が出回っているよね。
これらについて、教えてくれないか。

Iちゃん

わーい。
パパに教える立場に立つって気持いいね。
そこのこと、調べてあるの!
いい質問を貰いました。
表2を見てください。

Pパパ

えーっ!
愛ちゃんにしてはでき過ぎだね。(笑い)

Iちゃん

エヘッ、小野田君と一緒に整理しましたっ!

表2 エコカーの種類とメリット・デメリット
表2 エコカーの種類とメリット・デメリット

(注)
トヨタが燃料電池車「FCV PLUS」を披露。ホンダも15年中に発売予定の5人
乗り燃料電池車「新型FCV」を世界初公開した。

Pパパ

いやいや、車のこととりわけ自動運転車とエコカーのこと、よく分ったよ。
では、本番の「5G」と「IoT」との関連について「勉強の成果」を発表してくれないか。

Iちゃん

「IoT」では何でも「モノ」がインターネットにつながりますが、その中でも特に期待が大きいのが「自動車関連」だと言われています。
NTTドコモはMWC(*1)に先だって日本で開いた「自動車ビジネスソリューションサミット」で、18年にはIoT関連の回線数が世界で5億近くに達するとの見方を紹介。市場全体は12年から18年にかけて平均30%成長し、このうち4割程度を自動車が占めると説明しています。

Pパパ

そうか。

Iちゃん

一方で「スマホ」の市場拡大のペースは、いま、鈍化しているそうですね。
このために通信業界では新たな収益源の確保が求められています。
そこに安全や快適性を求める自動車がうまくはまった格好ですが、期待はさらに膨らんで、関心が高まっている自動運転など次世代技術の実用化には5Gが必要というのが業界の共通した見立てだそうです。
つまり、「5Gが自動運転車の道を開く」ってことです。

Pパパ

図2 5Gが自動運転車の道を開く
図2 5Gが自動運転車の道を開く

ちょっと待った。
5Gが自動運転車の道を開く、というが具体的に説明できるかな?

Iちゃん

前々回に勉強した「5G」で、特徴は「高速・低遅延・信頼性」でしたよね。
第4世代の携帯(4G)での遅延は50ミリ秒でしたが、5Gでは1ミリ秒になるそうです。
このことは、時速100キロメートルで走る自動車が通信制御する場合、4Gの50ミリ秒では、指示から停止までの間に1.4メートル進んでしまい時に致命的になるのだそうです。

Pパパ

ほほう。5Gの1ミリ秒だと、どうなるのかな?

Iちゃん

はい。5Gの1ミリ秒では、2.8センチメートルになり許容できるレベルとなるそうです。
つまり、たとえば数台先を走る自動車が急停車しても、そのブレーキ作動情報はスピーディに伝わって、自動運転時でも玉突き事故を発生しないようにできるってことです。

Pパパ

1.4メートルが2.8センチとは、それは凄い効果だね。
車車間通信が高速でできると言うことだね。

Iちゃん

また、「5Gは、IoT(モノのインターネット)デバイスを制御し、推進していくことだけを目標として策定された規格だ」と言っている人がいます。(*2)
彼は、そのデータとして「2020年には、ネットワークに同時接続されるIoTデバイスの数が最大で5000億台、最少でも500億台に達する見込みだと言っています。
さらに同氏は、「これらのIoTデバイスの大半は、スマートフォン以外の機器である。世界の人口は、たった70億人だからだ」とも言っています。

Pパパ

そうか、「5GはIoTデバイスを制御することが本命」と云うわけかな?

Iちゃん

そうなんだって。
例えば、スマホを世界中の人が2台ずつ持ったとしても、2台×70億人=140億台で、これなら4Gで充分対応できるそうです。
「自動車や電車、ロボット、電力網、スマートシティ、ヘルスケア、教育など、幅広い分野の5G対応コネクテッド製品の数、つまり『モノの数』」が圧倒的に多くなり、低遅延が必要になり、それを解決するための規格が「5G」だ、とも言っています。

Pパパ

そうだね、そのために「遅延は1ミリ秒」でないと駄目なんだ。

Iちゃん

「5G」は、これから実現される技術・規格なので「乞うご期待」ってとこかしら。
最近開かれた「東京モーターショー」でも、「自動運転車」は、大きな反響を呼んでいたようですね。

小野田君

自動運転タクシーの話題もテレビ報道されていましたね。

Iちゃん

えーっ!タクシーまで「自動運転」なのー?
あら、私が質問していいのかしら。(笑い)

小野田君

政府は、乗客を無人で目的地まで運ぶ自動運転タクシーなどの実証実験を来年初めから開始すると発表したんですね。地域を限定して規制を緩和する国家戦略特区の事業として行うそうで、神奈川県湘南エリアを皮切りに、来年3月までに宮城県仙台市、愛知県名古屋市でも実施する予定だそうです。

Iちゃん

すごーい。時代は変わるのね。

小野田君

ところで、話はコロッと変わりますが、日立さんも「自動運転車」の世界に触手を伸ばしているようです。

Pパパ

どんなこと?

小野田君

はい。
日立製作所と、日立オートモティブシステムズ、クラリオンの3社は、一般道での自動運転の実用化に向けた基盤技術を開発したそうです。歩行者などの行動変化を予測して、リアルタイムで最適な速度パターンを高速演算することで、安全かつ実用的な速度で衝突を防止する技術です。最近、その有効性を実験車にて確認したそうです。(*3)

Pパパ

日立さんは、自動車自体はやっていないだろうに?

小野田君

今後、検証を重ねることで技術開発を加速し、自動運転の実用化に貢献していくとしています。自動車メーカーとの連係も視野に入れているようですね。

Iちゃん

そういえば、最近NHKのTVニュースで「自動運転に必要になる"地図"」について報道していました。地図の開発競争が、世界各国のメーカーでしのぎを削っているそうです。
国際的な地図の基準を作る動きもあるようです。(*4)

Pパパ

うんうん、その世界でも主導権争いがあるんだね。自動運転車の動向はこれから目を話せないね。愛ちゃん、今回の報告は、小野田君に手伝って貰ったとはいいながら、愛ちゃんとしては頑張ったね。お疲れさん。

Iちゃん

パパ。今回頑張ったので、次回のテーマはリクエストしていいでしょう?
先日、山手線で何気なく車内アナウンスを聞いていたら「携帯の使い方に対する注意」が、以前から変わって緩和されたようなんだけど、何故なのか知りたいの。
このこと、次回のテーマにして!

Pパパ

よしよし。今頃気付いたのかね。こんな簡単なこと自分で調べればいいのに。
まあ、今回のご褒美にするか。

*1
MWC:Mobile World Congressの略。世界最大級の携帯電話関連展示会と世界中の携帯電話会社、端末製造メーカー、テクノロジープロバイダー、販売会社、コンテンツ会社の有名最高経営責任者が出席するカンファレンスを複合したイベント。
*2
発言者:ドレスデン工科大学の教授であり、同大学通信ネットワーク学部の責任者も務めるFrank Fitzek氏。
*3
有効性確認:実用的な歩行者通過速度、および良好な乗り心地の基準である加速度(2.2m/s2以下)、加速度変化(2.0m/s3以下)を達成した。
*4
基準つくりの動き:2015年10月に行われた「自動運転車国際シンポジウム」(東京江東区で開催)で。(2015年11月20日朝7時のNHKTVニュース)

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