IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は「IoTの話」の続きで、小野田君のレポートだったわよね。
そうだ。
愛ちゃんは気楽だね。
次回は愛ちゃんに宿題が行くから今から覚悟だね。
図1 「IoT」は身近
ひゃー、お手柔らかに頼むわ。(笑)
でも、気楽でもないのよ。
「IoT」ってキーワードを気にしていたら、NHKテレビの朝の番組の「あさいち」で取り上げていた(*1)ので、しっかり見ておいたわ。
ほほう
どんなことを言っていたかな?
「あさいち」って主婦が良く見る番組なのに、そこに「IoTの話題」が出ること自体に驚いたの。本当に身近で大きな話題になっているんだと・・・。
それで?
いろんなのがあったけど、例えば
等々があって、身近になるんだって実感しました。
「第4次産業革命」なんて言葉も飛び交っていました。
僕も見ました。シーテックの紹介でしたよね。
そのことも、これからの説明に含めてありますので、では、本題にいきます。
前回の最後に最近の動きが「国」のレベルになったことに触れましたが、一番分り易い解説が読売新聞の報道(*2)だったので、それも引用して解説します。
新聞は、見出しで要点を上手く捕まえますが、その見出しは
とありました。
そうそう、新聞て中身の説明に入る前に「要点をまとめているリード」があるけど、本当に上手く書くわよね。そのポイントは何て書いてあったの?
政府の動きです。
あらゆるモノ(ドローンや車の自動運転など)をネットでつなげる社会の実現に向けて、産官学で作る「共同研究体」を平成27年9月23日に発足させることと、それによって「国内外の企業や研究者」を巻き込んで、今後3年以内に「日本発の事業展開」にメドをつけ、新産業育成につなげる考えであること、を言っています。
具体的なサービス事例なんか紹介していますか?
そうですね。
さっき、愛ちゃんがNHKテレビの「あさいち」で見たものと重複しますが、図2は、新聞記事を私なりに大きく作り変えたものです。
図2 IoTで見込まれるサービスの一例
その他
新聞情報ではないんですが、「2020年には10億個ものがネットにつながる」とまで言われているんです。(*2)
本当、凄いわね。
何でも出来ちゃう感じだわ。
国のレベルで動き始めたということだが、具体的には?
図3 国の研究会発足
はい、まず大きなポイントは「政府はドローンや車の自動運転など、あらゆるモノをインターネットでつなげる社会の実現に向け、産官学でつくる共同研究体を2015年10月23日に発足させる」ということですが、発足しましたね。その研究体の名称は、「IoT推進コンソーシアム」といいます。
どんなことをするの?
安倍首相が掲げる「国内総生産(GDP)600兆円」達成を目指す取組みの第1弾となるもので、IoT技術を活用し、小型無人機「ドローン」を使った建築施行管理や過疎地への日用品配達、自動運転による無人タクシーサービス、人工知能を活用した診断など、幅広いサービスを目指すそうです。
狙いは何かね?
はい、技術開発では、官民一体で研究に当たる「スマートIoT推進フォーラム」の下で、研究開発戦略などを練る。総務省の協力で、技術的課題に取り組み、日本の規格の国際標準化を目指すそうです。大きな狙いは世界的なIoT環境が進むなか、日本企業の競争力を高める事だといっています。
そうだね。
規格の標準化に日本がどのくらいの位置を占められるかが、大きな課題だね。少し遅れているんだ。そして、政府は
ことも考えているんだよ。
そうです。
日本は出遅れているので、巻き返しを狙って、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)にコンソーシアムの成果をアピールする。サミット関係者を無人運転車に乗せ、会場周辺を巡るイベントなどを想定しているそうです。
前回言ったように、2020年の市場規模は200兆円以上と言う予測があるが、巻き返しが必要だね。
そうですね。
NHKのテレビ番組「クローズアップ現代」でも、取り上げられていました。
2つの話が印象的だったので、メモしておきました。
1つは、「日本では建設機械メーカーが、重機の振動データなどからパーツの消耗度を把握し、先回りして修理するビジネスを始めたり、米大手メーカーが、航空エンジンの稼働データから最も効率的な運転方法を解析、航空業界にコンサルティングしたりしている」。
もう1つは、「こうした膨大なデータの分析による新たなビジネスに、いま多くの企業が着目。アメリカでは巨大企業が中心となり、データ方式などの業界標準をいち早く定め、市場を手にしようという動きも出ている」というものです。
ほほう。
宿題を出したらアンテナを高くしたね。
そうなんだ。
アメリカでは、米General Electric(GE)(*3)がこれまで無数の電球と衣類乾燥機を製造してきたが、「全ての機関車は実質的にデータセンターを備えている」という新たな現実に基づき、現在では「インダストリアルインターネット」に賭けているし、GEとPTC(*4)が、IoT/スマートファクトリー領域で提携することを発表したんだ。
「業界標準規格」は重要ですよね。
日本は、世界のスタンダードからはずれたりした携帯電話のように「ガラパゴス」になるようなことの無いようにしないといけませんね。
図4 ガラケーの例
「ガラパゴス」って、なんのこと?
はっはっは。
愛ちゃんがスマホに切り替える前に使っていた携帯は何と言うんだね?
「ガラケー」?(図4)
そうだ。
「ガラパゴス」とは、絶海の孤島のガラパゴス諸島で独自の進化をとげた生き物のように、技術やサービスなどが日本市場で独自の方向性へ進化してしまい、世界標準から掛け離れてしまう現象のことだ。
日本の携帯電話は、独自基準になってしまったので「ガラパゴス携帯」略して「ガラケー」というわけだ。
そうか、そうだったんだ。
その防止のためにも、国を挙げて「IoTを新産業」に成長させるために、産官学で研究体を立ち上げて注力するんですよね。
小野田君、国としての対応もあるが、通信系ディーラーの一員としては、「IoT」についてどう考えるかな?
はい。「IoTビジネス」が活発になってくると思います。
すでに日立さんをはじめ、富士通、シスコシステムズさんなどもビジネス展開を始めていますし、ベンダー/SIerなどの取組みも始まっているようです。
今後のビジネス展開を注視して、乗り遅れないようにしたいと考えています。
もっと勉強します。
そのとおり。
小野田君良く勉強したね。
そのためにも、産業界も深く関心をもって取り組んでいく必要があるんだが、今までの「IoT」の認知度は意外と低かった(*5)んだね。
最近メディアで盛んに取り上げられているので、認知度もどんどん上がっていくだろうね。
私も全然知らなかったけど、お陰で分ってきました。
では、いままで楽をしてきた愛ちゃんに宿題を出そう。
今まで、「5G」と「IoT」について勉強したが、「自動運転車」が関連あることもわかったろう。この3者について話を纏めてみてくれないか。車の免許も取ったことだし・・・。
えーっ。そんな難しいテーマは荷が重いわ。でも小野田君に手伝って貰って何とかします。
図5 IoTの認知度(2015.9.11〜9.12)