IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は「電子メールの話」で手紙派とメール派の話や、両者の効用やデメリットについて教えてくれるのよね。
そうだ。
インターネットが普及してきて「電子メール全盛の時代」になってきたので、私信は勿論ビジネス文書までメールが活用される時代になってきたね。
そうなの。
実は、私も今年の年賀状をメールで出したら、年配の人から「年賀状はメールではまずいよ。ちゃんとハガキで貰いたいものだ」って、クレームをつけられちゃったの。
だから、来年の年賀状はどうしようか、って悩んじゃう!
そうか。
では、最近の世の中の情勢を調べてみよう。
データが1つだと偏るので、2つをピックアップしたのが図1だ。
図1 メール派とハガキ派の傾向
調査結果@は2007年で、調査結果A2011年なんだが、どちらも「ハガキ派」が圧倒的に多いことが分かるが、メール(電子媒体)派も結構あるし、スマホなどの普及もあって増加しているようだね。
私個人は、メールでもハガキでも余り意識しませんが、貰った人の気持ちは違いますか?
そうだね。
私のような年代は、ハガキの方が嬉しいね。
年代はともかく、貰った人の気持ちを調査したデータもある。(図2)
「年賀状を貰ったとき、ハガキの方が嬉しいですか?」という質問に対する回答なんだが、これもハガキ派が圧倒的(「そう思う」と「ややそう思う」の合計が約83%)だね。
図2 もらったときはがきの方が嬉しい?(*3)
私もどちらでもいい部類だけど、その中の人は「ハガキ」の方がいいのね。
気持ちの部分も含めて、両者の長所・短所を教えてくれないかな?
いいとも。
多分質問があると思って整理した表を持ってきたよ。(表1)
分類 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
手紙(ハガキ) |
・真心がこもっている気がする (貰った方の感じとして) ・一般的に手の込んだものが作れる ・手書き文字には暖かさがある ・保存性が高い(思い出が残る) ・開封されなければ機密性は高い ・証拠能力が高い |
・コスト(切手代、ハガキや便箋、インク代がかかる) ・送るのが面倒(ポストに投函) ・しっかりした文字や文章でないと駄目な気がする ・同報性が低い。 |
メール |
・コストが安い(切手代、ハガキや便箋インク代不要) ・慣れると作成時間が短い ・一斉送信(同報)やCC、BCCができる ・携帯やスマホは割りとラフな文章で平気 ・写真などが簡単に添付できる ・検索性が高い |
・見逃すことがある(受信時) ・気持ちが通じ難い ・誤発信が起こる可能性がある ・暗号化されなければ機密性は低い ・現在わが国では証拠能力は無いに等しい (今後認められる可能性あり) |
よく分かりましたが、「Eメールそのものの仕組み」を教えてくれませんか?
そうだね。
この勉強会のテーマは、愛ちゃんの失敗のフォローだけじゃなくそれがないといけなかったね。
あらあら、ごめんなさい。
2回にわたって「私のミス対策」ですみませんでした。
では、仕組みを教えて!
電子メールは「郵便」に例えると分かり易いと思う。
メールの「送信」は、手紙をポストに入れるのに似ているし、「投函」されたメールは一種の「郵便局」(サーバー)でリレーされて、最終的には相手の「郵便受け」に届くんだね。
受け手は送られてきたメール(手紙)を郵便受けに取りに行き読むという感じだ。
ほんとだ。
分かり易い、分かり易い!
このことを図3で説明している。
図3 電子メール(Eメール)のしくみ
少し、補足説明しよう。
メールサーバーは、メールに関するサービスをしてくれると言う意味と理解すればいい。
郵便局と同様に地域ごとに分担があり、手紙はいくつかの郵便局で中継(リレー)されていくんだ。同じようにメールサーバーもそれぞれ担当範囲を持っている。
差出人(発信人)は、自分の担当サーバーに送信を依頼し、それを受取人の担当サーバーまでリレーされていくのさ。
このようなメール転送の仕組みを「SMTP」(*4)と呼ぶんだ。
郵便と同じっていうけど郵便の場合、私に来た郵便は私が時々郵便受けを見に行かないとならないわよね?
そうだ。
メールの場合も、届いた場合は郵便のように郵便受け(自分のメールボックス)に投げ込まれるんだよ。
つまり、愛ちゃんが郵便受けに取りにゆくように、メール着信をチェックして取り出して読むと言う仕掛けだ。
そうか、自分でメールを読むには、プロバイダに接続してメールソフトで「受信」をクリックする必要があるのね。
そうそう、それまではメールは郵便局(サーバー)に保管されており、受信者の愛ちゃんの手元には届いていないんだね。
会社のようにパソコンが常時ネットワークに繋がっている場合は、メールソフトの「定期チェック機能」を使ってメールの到着を確認することが出来る。
だから、そのために会社の環境に慣れているとメールは自動的にパソコンまで届くものと思いがちだが、何れにしても環境によって確認の方法とタイミングが異なるために、メールを送っても直ぐに読まれるとは限らないんだよ。
了解、了解!
受信メールを一旦メールボックスに蓄積して受信者が受け取りにゆく方法を「POP」(*5)と呼んで、受信用サーバーを「POPサーバー」とも言うんだ。
図3の下部に書いてあるが、このメールボックスはPOPサーバー上にあり、受信者がインターネットに接続していなくてもメールを受け取って保管して置いてくれるんだね。
はーい。
よく分かりました。
でも、もう一つ聞きたいことがあります。
何かね?
わたし、メールを送って直ぐに相手に電話したら、「まだ届いていないわよ」って言われたことがあるの。
メールが来たか「受信」ボタンを押しても、来ていないことがあるってことが分ったわ。
滅多には無いが、そういうことはあるんだよ。
郵便とは違って「手紙」を電車や飛行機で運ぶわけではなく、電子メディアを使う伝達だから基本的には多くの場合一瞬(ほんの数秒)にして着くことにはなるんだ。
しかし、電子メールといえども途中のいろいろな問題で、着信まで時間がかかることもあるんだね。
分ったけど、それってどんな時かな?
例えばね。
年末に郵便が送れて配達されるようなことがあるだろう。
郵便局には年賀状が沢山来ていて、てんてこ舞いで処理が追いつかないからだね。
同じようにメールサーバーでも想定以上のメールが集中すると配信が送れ順番待ちになり、処理に数時間かかってしまうこともあるんだよ。
そうか。
着信側のサーバーの問題なのか。
いやいや発信側のサーバーもメンテナンスなどで停止していたりすると、送信元は一定時間後に再送信することになる。サーバーは上手く送信できるまでは数日がんばったりするが、それでも駄目な場合は、処理を諦めて差出人にエラーで通知することになるんだね。
そうかぁ、直ぐに着かない事があるって良く分ったわ。
お父さん、いろいろとよく分かりました。
有難うございました。
パパ、もう1回脱線していいかな?
「メールアドレス」について教えてくれない?
メールの仕組みに関連しているからいいでしょ!
はいはい。分りましたよ。