IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は、楽しみだわ。
言い出しっぺの愛ちゃんに聞くが「家庭の三種の神器」って何か知っているかい?
えー、「家庭の三種の神器」なら知ってるわ。
「カラーテレビ」「クーラー」「カー(自家用車)」でしょ。
はっはっは。
愛ちゃんも年取ったね。
それは、「3C」とも呼ばれたんだが、1960年頃、つまり高度成長時代のものだよ。
うーん。
そうかぁ!ママに教わったのを覚えていたんで古いんだね。
今は、何?
図1を見てごらん。
愛ちゃんの言った「三種の神器」より古いものもあったんだよ。
図1 「家庭用三種の神器」の変遷
どうだい。
時代の移り変わりが分かるだろう!
本当!私の家には「新・三種の神器」があるわ!
ホッとしたわ。(笑)
でも今日のテーマは「オフィスの三種の神器」でしたよね。
ちょっと待って!
本題に入る前に、そもそも「三種の神器」って、どんな意味なの?
「3つの大切なもの」って意味なの?
これって、最初に聞くべきだったかしら。
はっはっは。
とぼけた愛ちゃんだね。
小野田君、知っていたら説明してあげてくれないか。
はい。
うろ覚えですが、古代から日本の天皇が皇位の証として、即位のときに継承する宝物で、確か「鏡と剣(つるぎ)と勾玉(まがたま)」の3つだったと思いますが。
ほうほう、よく知っていたね。
愛ちゃん、分かったかい、「3つの大切な宝物」という意味では愛ちゃんの答えで間違いは無いがね。
源平の合戦で、義経が壇ノ浦で平家を滅亡させたとき、平家の三種の神器が海に投げ込まれた話は有名だね。
えーっ、それ見つからなかったの?
うん、3つのうち宝剣(つるぎ)だけはついに見つからなかったんだね。
いやいや脱線しちゃったね。
話を戻すよ。
「オフィスの三種の神器」について、私が苦心して作ってきた図(図2)を良く見て欲しいな。
えーっ!
ファックスやコピーや電卓が「神器」なのー?
信じられなーい!
図2 「オフィスの三種の神器」の変遷
いやいや、ファックスが登場したときなどG2といってね。
同一メーカーしか繋がらなかったし、電卓の初期は机の1/3くらいのスペースを必要とする大型機だったんだよ。
複写機(コピー)だって、湿式で「青焼き」とか「白焼き」なんていって大変だったよ。
それが、電卓はポケット型に、ファックスはG3になってどこのメーカーの機器とも繋がるし、コピーは乾式になって、オフィスの能率を飛躍的にあげる、まさしく「神器」になったんだよ。
この定義は一般的ですか?
いやいや、(1)の1970年代と(2)の1990年代は、私の独断だが、(3)と(4)は、ある雑誌(注1)が最近三種の神器の世代交代を言い出したんで、引用したんだよ。
分かりました。
1990年代の「ラップトップパソコン」って、絵はノートパソコンらしいけど、違うの?
はっはっは。
愛ちゃんは「ラップトップ」って聞いたこと無いか?
ノートパソコンのことなんだ。
ディスプレィと本体を一体にして、持ち運べるようにしたパソコンのことだ。
外出先でひざ(lap)の上に乗せて使うことができるという意味だね。
今は、誰も言わないでしょう?
そうだね。
日本では「死語」になったが、欧米では今でも使われることがあるそうだ。
企業の三種の神器が「様変わりする要因」は何でしょうか?
そうだね。
オフィスのワークシーンの変化もあるが、大きな要因は「コスト削減やBCP(事業の継続性)なんかの経営課題を解決するためなんだね。
それは、例えば
(1) ICTのアウトソーシング化
(2) どこでも働ける環境の整備
などの需要の高まりに対応するためと、これらの需要を満たす最善策が新システム(新三種の神器)への刷新だと言ってもいいだろう。
総論は分かった気がするけど、新しい三種の神器の「神通力」みたいな「優れた点」を教えて欲しいな!
ほほー、鋭い質問をするねー。
では、先ず小野田君が一番身近な「PBX→スマホ内線システム」について話そう。
最大の理由は、スマホの劇的な普及だね。
このことは、この勉強会でも取り上げたが、最近のFMC(スマホ+FMC)は、「IP−PBX+MFT(多機能電話)」よりコスト的に有利になってきたね。
それにスマホは、(1)業務端末+(2)無線データ端末+(3)ビジネスホン(内線・外線)+(4)携帯電話の1台4役をこなせるから、それを考えるとさらに有利になるね。
コスト面以外もありますよね。
そう、スマホのアプリではビジネスホン並みの機能が実現できるし、音声が安定している3G回線型や進化が著しいVoIP型など選択肢が増えている点も大きいね。
無線LANは、もう着実に地位を確保している感がありますね。
無線LANの導入費用は、ユーザー当たり2000円〜5000円と有線LANと同等以下になってきたようだ。
それに「マルチデバイス環境」や「配線変更が多いケース」なら、「無線LAN一本化」の方がコスト安になり易いからね。
そうですね。
もう無線LANが有線LAN(100M主流)の速度を上回ってきましたしね。
クラウドはどうなんですか?
クラウドの世界も「IaaS(注2)がベンダー間競争で安くなって、サーバーと同等以下」になってきたんだね。
そして、「SaaS(注3)も、月330円/人からと圧倒的に割安」なことも要因だ。
クラウドPBXもいつか取り上げたが、最近大きく進展しているようだね。
クラウドの機能や導入効果はどうなんですか?
災害対策に向くから「BCP(事業継続性)」に効くし、情報系SaaSは、メールからビデオ会議、社内ポータル、文書作成まで統合できるんだね。
基幹業務系にも向く高信頼性のIaaSも登場してきてるから、クラウドは三種の神器の一角に十分なると思うよ。
オフィスの三種の神器が様変わりしてくるということは、我々販社も「飯の種」を見直していかないといけない、ってことですよね。
そうだね。
私「家庭の三種の神器」を大切に使うわ。(笑い)
次のテーマだけど、お友達の会社で「今度、シンクライアントになったの。何か面倒臭いのよ」と言ってたわ。
知らないと恥ずかしいので会話しなかったけど、「シンクライアント」って何か教えて欲しいな。
いいとも。