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Hitachi

I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は、「スマートハウス」と「スマートシティ」の話よね。
何でも「スマート」をつければいいみたいな風潮ね。

Pパパ

うん、その傾向が無いでもないね。
しかし、スマートグリッドの関連で、「スマートフォン」ほどではないが、「スマートハウス」と「スマートシティ」の用語は、世界的に使われているんだから、しっかり聞いてくれないと困るよ!

Iちゃん

はい、分かりました。

Pパパ

図1 3つのキーワード
図1 3つのキーワード

「スマートハウス」は「スマートグリッドの範疇」といっていいんだ。
キーワードは3つある。(図1)
(1)は「省エネ」だ。
各種省エネ家電、エコキュートなどを機能的に導入し、家全体でエコを捉えるのが省エネ。エネルギーを節約するだけでなく、賢く家電の消費を抑えることで快適性にも優れている。

(2)の「創エネ」は、環境にも家計にもやさしいスマートハウスのことだ。その一番の特徴はエネルギーそのものを創る機能があることだね。これは今までの電力消費を抑えるだけの省エネとの違いだ。

(3)は、「蓄エネ」。
太陽の出ている昼は、太陽光発電で電気を蓄え、消費量の少ない深夜に使うなど電力を上手に使っていく視点が省エネ。蓄えられた電力は災害時での停電にも活躍する。

Iちゃん

そうね。
最近「蓄エネ」ってよく言われているわよね。
「3つのキーワード」分かったわ。
スマートハウスとスマートシティの中身の話をして!

Pパパ

うん、うん。
まず「スマートハウス」なんだが、これは前回の「スマートメーター」で説明した図で「家庭の中」をスマートにコントロールされることを理解して貰ったのでやや重複するけど、図2を見てくれないか。

Iちゃん

この前の図に良く似ているわね。

Pパパ

そうなんだ。

Iちゃん

スマート(賢い)ハウス(家)の意味が分かってきたわ。
図2の(7)の「見える化」も賢いことの一部でしょう?

図2 スマートハウスのイメージとポイント
図2 スマートハウスのイメージとポイント

(注)
LEDは、超寿命で 消費電力が少ない。 室内と廊下では必要な明るさが違う。
使う場所を考えることが大切!

Pパパ

鋭い質問をするね。
「見える化」については、図2のHEMS(家庭内エネルギー監視システム)が、家庭内の負荷設備(給湯器、蓄電池、電気自動車等)の情報を見える化して適切に制御することによって、再生可能エネルギーを有効活用できること。
そして、地域エネルギーマネジメントシステム(OEMS)から需給調整依頼情報をHEMSが受け取り、無理のないピークシフト、ロードシフトに貢献するんだね。
HEMSはね、家庭内の電力需要予測情報と太陽光発電予報情報から必要電力量を算出して、蓄電池や電気自動車に予め蓄え、非常時でも必要最低限のエネルギー生活の維持に貢献するんだよ。

Iちゃん

そのHEMSってのは、スマートハウスのキーマンね。

Pパパ

そうなんだ。
スマートハウスの「三種の神器」は、この(1)「HEMS」と(2)「太陽光発電システム」、そして(3)「蓄電システム」だという人もいるくらいだ。

Iちゃん

HEMSには、日立さんも対応していますか?

Pパパ

うん、スマートグリッドに取り組んでいる一環として対応しているね。
話を「スマートシティ」に変えていいかな?

Iちゃん

お願いします。

Pパパ

図3 スマートシティは「街全体」
図3 スマートシティは「街全体」

「スマートシティ」とはね、文字通り「街全体」の電力の有効活用をICT(注1)や環境技術を駆使して「省資源化を徹底した環境配慮型都市」を実現することなんだ。

このために、再生可能エネルギーの効率的な利用を可能にするスマートグリッド、電気自動車の充電システム整備に基づく交通システム、蓄電池や省エネ家電などによる都市システムを総合的に組み合わせた街づくりが行われるんだね。

Iちゃん

それって、もう世界でも日本でも進んでいるの?

Pパパ

うん世界各国で実証実験が始まっているし、日本でも
(1) 京都府関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)
(2) 福岡県北九州市
(3) 愛知県豊田市
(4) 神奈川県横浜市
などで、官民一体での実証試験が進められているそうだし、東京都も2020年までに実現を目指すといっているね。

最近の報道*2では、「最先端のスマートシティ開所式」が、平成26年11月27日に神奈川県藤沢市で行われたそうだね。
これは街全体で省電力などの環境対策を進める大規模なスマートシティなんだ。

Iちゃん

この他にも国内では、スマートシティの動きがあるのかしら?

Pパパ

そうだね、国内では、省エネ意識の高まりや東日本大震災などを背景にスマートシティを建設しようという動きが相次いで、160を超える自治体で、経済産業省の補助金を受けた実証実験などのプロジェクトが立ち上がってるのが現状だね。

小野田君

スマートシティもスマートグリッドの一環なんで、日立さんも対応しているんでしょう?

Pパパ

うん。勿論だ。
この他は電力会社や東芝、IBM、三井不動産などだね。

小野田君

「スマートシティ」には、日立さんが真面目に取り組んでいるようですね。
具体的な事例を紹介してくれませんか。

Pパパ

いいとも。
スマートシティ実現に向けた日立の取り組みを詳しい内容は割愛するが、具体的事例で紹介すると
(1) 「ハワイ」での日米共同でスマートグリッドの実証実験
(2) 「スペイン」の「マラガ」で、スペインにおけるスマートコミュニティ実証事業
(3) 中国「大連」で社会イノベーション事業分野および資源循環・低炭素経済分野で提供
(4) 中国「天津」で「中国・シンガポール天津エコシティ」
(5) 中国「広州」で「広州ナレッジシティ」
(6) 米国「ニューメキシコ」で米国ニューメキシコ州における日米スマートグリッド検証
(7) 「千葉県」で「柏の葉スマートシティ」(入居者5000人の大規模)
(8) 神奈川県「横浜市」「横浜スマートシティプロジェクトマスタープラン」と連係
(8) 愛知県「豊田市」の「低炭素社会システム実証プロジェクト」シュミレータ検証
(9) 茨城県「日立市」の「スマートシティEVバス運用モデルプロジェクト」
(10) 「沖縄県」の「EVレンタカー向け充電管理システム」
などだ。

Iちゃん

ひゃー!凄いね。
本当に真面目に取り組んでいるわね。

Pパパ

図4 頑張っている日立
図4 頑張っている日立

スマートシティは、我々の世界である「ICT」(情報通信技術)を活用することで都市基盤の効率化・高度化を実現する都市のことで、現在、エネルギー、水(上下水道)、交通などを中心とした分野で、その実現に向けた取り組みが推進されているんだ。
日立さんが取り組んでいるように、先進諸国では、都市人口の高齢化による人材の減少および税収減が深刻な問題になってきており、これらの解決策としてスマートシティ(つまり、ICTを利用した効率的な社会インフラの管理の実現)が期待されているんだね。

小野田君

するといろんな業界に影響ありますね。

Pパパ

そうだ。
建設、自動車、家電機器、通信キャリアやメーカーなど多くの業界が関わってくるね。
なかでもICTはスマートシティにおいては重要な役割を持つね。

Iちゃん

何回かにわたってスマートな話を聞きました。
少し利口になった気がします。
次のテーマとして聞きたいことがあるんだけど、いいかな?

Pパパ

何ですか?

Iちゃん

今日のお話の中で、「三種の神器」って話が出たけど、家庭やオフィスの三種の神器って何かな?
面白そうなので、次回のテーマにしてくれない?

Pパパ

はっはっは。
また、愛ちゃんの気まぐれが始まったね。
その中に通信やIPの関連もあるだろうから、次回のテーマにして上げることとしよう。

Iちゃん

ありがとう!よろしく!

*1
ICT:ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称で情報・通信の工学、及びその社会的応用分野の技術の総称。従来日本ではITと呼ばれていたが、C(通信)のファクターが必要としてCが加わったもの。 世界的にはITよりICTが主流。 日本ではこの数年、主に総務省や通信事業者などが使い始めた言葉。 この「IPよもやま話」の第99回「グリーンICT」で詳しく解説済み。
*2
最近の報道:NHKテレビ放送(平成26年11月27日夕方)

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