IPよもやま話
I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。
今日は、「スマートグリッドの話」の続きで「スマートハウス」の話も聞けるのよね。
うん、そうなんだが、まず最初に「スマートグリッドと通信の話」をしてしまおう。
何でこのテーマを取り上げたか、最初に説明すべきだったが、「スマートグリッドのイメージ」をつかんでもらった後の方がいいと思って「後回し」にしていたからね。
インターネットとも関係ありますか?
図1 ICTとの握手必須
うん、あるとも。
「スマートグリッド」は、効率的な次世代送電網を作るためにICTを駆使しなくては成り立たないんだよ。
これまでの画一的な発電システムとは違って、太陽光による発電を効率的に分散したり、家庭での電力利用を細かく管理したりする仕組みも備えているんだ。
具体的には?
一般家庭やビルへも「情報通信網」が整備されていくんだ。
スマートグリッドでは、街中の電線から更に一般家庭やビルへも「情報通信網」が整備されていくのさ。
これによって、電力会社や一般家庭の個人が、電力の供給や消費情報などをリ アルタイムに取り出せるようになるなど、供給側と需要側との間で情報のやり取りが可能になるんだよ。
双方がネットワークで結ばれることで、電力の需給情報などを処理するための新しいシステムが用途に応じて必要になってくるだろう。
このような新しいシステムの用途としては、例えば供給側では、電力課金システムの構築や、エネルギーマネジメントシステムの構築などが想定される。また需要側での例としては、専用のモニターやPCを通じて電力の使用状況を把握できる“見える化”サービスのシステムが挙げられるね。
インターネットは?
発電所と家庭がインターネットでつながり、発電を効率化する仕組みを備えるのさ。
発電所から送電・変電所・家庭の電力メーターにいたるまで、電力網の設備が全てスマートグリッド対応のものに置き換わるんだよ。
あらー。
家庭の電力メータも変わるの?
頭がいい賢いメーターになるので、まさか「スマートメーター」なんて呼ばないでしょうね?
あーはっはは、その通り、「スマートメーター」って呼ぶんだ。
エーッ、本当なの?
その話もして!
おいおいおい。
そんなに立て続けに言うなよ。
スマートハウスとスマートメーターの話は後でするとして、話を戻すよ。
図2 市場規模
そうするとお父さん。
全ての機器がスマートグリッドで置き換わるとすると、凄いマーケットになりますね。
うん。
2010年から2030年までの20年間で、スマートグリッドの関連市場は日欧米で累計16兆円になると言う予測もあるんだ。
日立さんも何かしていますか?
愛ちゃんが聞きたがった「スマートメーター」にも取り組んでいるし、スマートグリッドのビジネス展開もしているよ。
例えば、インフラとICTの融合を担当する情報制御部門の人員1000人を2015年度までに増員するとしている。
増員して何をするの?
中国を中心に海外でスマートグリッド関連の需要が急激に顕在化しているので、システム技術者や工場作業員を国内外で増やすんだね。日立は今後、中国で複数の都市開発プロジェクトに参画、制御機器の工場新設も想定しているそうだ。
スマートメーターについては、後で説明して頂きますが、日立の取り組みはどうですか?
うんうん。
真面目に取り組んでいるね。
日立は、スマートメーターのトップメーカーである大崎電気工業鰍笊ト国シルバースプリングネットワーク社との協業関係を作って、グローバルなスマートシティ事業の拡大を加速させているよ。
国内では、青森県の「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」では、スマートメーターを活用して、太陽光発電、蓄電池、エコキュートを連携させた「地域エネルギーマネジメントシステム」の開発を担当しているしね。
パパ。
日立さんの取組みは分かったので、肝心のスマートメーターとかスマートシティの話をしてくてくれないかな。
はいはい。
せっかちなお嬢さんだね。
では、スマートメーターの話からしよう。
図3を見ながら話を聞いて欲しいんだが、
図3 スマートメーターの導入イメージ
スマートメータとは、通信機能を始めとする高度な機能を持った次世代の電力メーター(電力計)のことなんだ。
それって、いま私たちの家庭についているメーターを代えるの?
そう、いま、各家庭にある「積算電力計」に代わるものだ。
ビルや家庭などで消費した電力の量や機器の稼働状況などをデータとして記録しておき、通信ネットワークを利用して電力会社へ定期的に送る仕組みをもっているんだ。
えーっ!それって今検針の人が廻ってくるけど、それが必要なくなるの?
そう、電力使用量の検針が遠隔で効率的に行えるようになるだけでなく、そのデータを利用することで、電力会社は時間帯や利用機器別の細かな電力消費量を把握できるようになるんだよ。
図4を見てごらん。
スマートメーターは双方向のデータ(情報)のやりとりができるので、
ということだ。
図4 スマートメーターの機能活用(例)
電力消費量のきめ細かな把握は、再生エネルギーの普及やスマートグリッドを実現していく上で、必要不可欠となることから、すでに欧米諸国を中心に普及が加速しているそうですね。
日本はどうなの?
日本でも、東日本大震災を境に、スマートメーターの導入の機運が高まってきて、時間帯別の電力消費量が把握できる体制を構築し、ピークカット料金などの導入を加速することを導入目的として「今後5年以内に総需要の8割をスマートメーター化する施策*1が発表されているんだよ。
日立さんは「スマートグリッド」や「スマートメーター」に対してどんなスタンスなんですか?
うん。対応してるよ。
日立はね。
自動検針(Advanced Metering Infrastrucuture)や電力系統の安定化に必要な通信技術や制御技術、豊富な経験とノウハウを誇る電力・電気技術と幅い広い分野の技術を併せ持つ独自性を生かして、スマートグリッド関連システムの開発と提供を進めているよ。
先ほど説明したが、スマートメーターは、トップメーカーである大崎電気工業(株)や米国シルバースプリングネットワークス社との協業関係を構築して、グローバルなスマートシティ事業の拡大を加速させているし、青森県での「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」では、スマートメーターを活用し、太陽光発電、蓄電池、エコキュートを連係させた「地域エネルギーマネジメントシステム」の開発を担当しているんだ。
そうですか。
対応しているんですね。
パパ、今の説明の中に「スマートシティ」っていう名も出てきたわね。
それも説明して!
はっはっは。
そんなに急ぐなよ。
「スマートメーター」について説明してから「スマートシティ」に行こう。
いいわ。
愛ちゃんの質問のスマートメーターの家庭への普及の状況について説明するよ。
とりあえず東京電力の取り組みを話すね。
東京電力では、平成26年度から平成32年までの7年間で、全ての加入者にスマートメーターを設置できるように計画をすすめているんだ。
平成26年4月から通信機能に関する技術検証を行い、東京都小平市の一部地域で1000台程度の設置を始めると言っている。
その後、平成26年7月からは東京都全域、平成26年度後半からは東京電力のサービス区域全域において、今までのメーターの検定有効期間満了の定期的な取替えや新築等における新たな電気の使用申し込みに合わせた設置をしていくということだ。
そうかぁ。
私の家も対象になるかもしれないね。
どうだろう。
時間が無くなってしまったので、スマートハウスとスマートシティの説明は次回だね。
いいわ。
了解!