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IちゃんとP(パパ)と小野田君の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は、パパが「LTEアドバンスの話」をしてくれるのよね。

Pパパ

図1 速度の比較(5倍)
図1 速度の比較(5倍)

そうだったね。
「LTEアドバンス」は、愛ちゃんが聞きかじってきたように「速度がLTEの5倍」だと言う「高速性」が最大の売りなんだ。
速さを例えると「自転車の平均速度が20Km/hr」に対して、動物のチータの平均速度がその5倍の100km/hr」に相当することになる。(図1)

Iちゃん

そんな比較しても意味が無いわよ。
つまり「アドバンス(優位)って、いまのLTEより「速度が5倍も早い」ってことよね。

Pパパ

はっはっは。
そのとおりだ。
では、本題に入ろう。
具体的な話をしよう。
「GALAXY S4」のさまざまなバリエーションを出している韓国Samsung Electronicsが、次に予定しているのは第4世代通信サービス「LTE-Advanced」対応モデルだそうだ。
日本ではNTTドコモが、2015年度中にはLTE-Advancedを開始したいとしているんだよ。

Iちゃん

今までのLTEは「第3.9世代」と言われていたけど、これは?

Pパパ

図2 光ケーブルと同速度
図2 光ケーブルと同速度

これはね。
「第4世代」ともいわれるんだ。*1
「第3.9世代」とも呼ばれる現在のLTE(long Term Evolution)と技術的な互換性を保ちながらさらに高度化・高速化した規格で、最も高度な仕様では理論上の最高通信速度は、下り(基地局→端末)1Gbps以上、上り(端末→基地局)500Mbps以上と光ファイバー並みになるんだよ。(図2)

小野田君

LTE-Advancedに対応した基地局や端末は原則としてそのままLTEでも通信が可能なら、LTEによる携帯電話やデータ通信サービスを提供している事業者が、次の高度なサービスとして提供を開始し、徐々に移行していくことが可能になりますよね。

Pパパ

そう。
そのことは大きな特徴だね。
少し難しい規格の話をすると「LTE-Advancedは、LTE規格を標準化しているプロジェクト“3GPP”がLTE規格の第10版(Release10)、そして11版以降として準備されている規格を指しているんだ。
この規格の特長は4つある。

図3 規格の特長
図3 規格の特長

Iちゃん

モバイルの世界はどんどん進化するのね。
その「基地局の進化」についても聞きたいな。

Pパパ

うん。
いろいろあるが、その代表としてはCoMP(多地点協調、Coordinated multipoint transmission/reception)という電波の送受信方法が挙げられるね。
これはね。複数の基地局が協調して送受信をより密なものにするんだ。
たとえば、複数の基地局から端末が同時に電波を受信することで高速にデータを受信したり、逆に複数の基地局へ同時に端末から電波を送信することで高速なデータアップロードが可能になるんだよ。

小野田君

LTEアドバンスの基地局は、いまのLTE端末もサポート(接続)できるんですね。

Pパパ

図4 キャリアアグリケーションのイメージ
図4 キャリアアグリケーションのイメージ

今説明した機能を「キャリアアグリケーション」というんだが、小野田君の質問も含めて分かり易く説明したのが、図4だ。
LTEで使用する搬送波を1コンポーネント単位として複数を同時に扱うことで一度に多くのデータを送受信する仕組みとなっているんだ。

小野田君

すると、LTEアドバンス対応基地局しかなくても、従来のLTEも使えるってことですね。

Pパパ

そう、その通り。

Iちゃん

LTEアドバンス端末は、どの程度の移動速度でも使えるのかしら?

Pパパ

LTE-Advancedでは、モビリティ性能を確保し、時速350kmでも通信可能、時速120kmまでは静止時に近い通信速度を確保できることも目指しているんだよ。

Iちゃん

あらー!
じゃあ、リニアモーターカーの車中でも使えるの?

Pパパ

リニアモーターカーが「時速500km」も出すと一寸無理かな。
しかし、中国のリニアモーターカー車内で現在のLTEが使えた話もネットにあったけどね。ただ、このときのリニアモーターカーの速度は300km/hrだったそうだが・・。

Iちゃん

私、このタイミングで質問するのは気がひけるけど、今まで使っていた「ガラケー」を3Gって言ってたと思うけど、3.5Gとか3.9Gとかよく分からないの。
そのことおさらいしてくれないかな。

Pパパ

仕方の無い娘だね。
簡単に分かり易く図を書いてあげるよ。(図5)

図5 携帯電話の世代変遷(KDDI不含)
図5 携帯電話の世代変遷(KDDI不含)

*2
第3.5世代移動通信システムとは、第3世代移動通信システム(ITUの定める「IMT-2000」規格)のうち、高速データ通信規格に準拠したものを特に区別する場合に言う。「3.5G」などと表記する。
*3
本文の脚注 *1 を参照乞う。

Iちゃん

3Gの前もあるんでしょうけど、これでいいわ。(笑い)
3G→3.5G→3.9G→4Gと覚えればいいのよね。
3.9G≒4Gと言ったのが少し分かり難いけど・・・。
4Gの次もあるの?

Pパパ

うん。
5G携帯があるよ。
スマートフォンの次の課題はネットワークの「5G」化だ。
10Gbpsもの通信速度が期待され、企業や大学での研究開発が急ピッチで進んでいるんだよ。

Iちゃん

えーっ!本当?

Pパパ

うん。
ただね、この技術が登場するのはかなり先のことだ。何年も先なのさ。
標準化もこれからで、5Gが普及するのは6年も先の2020年以降になるといわれているんだよ。

Iちゃん

2020年といえば「東京オリンピック」の年ね。
どちらも楽しみってとこね。

小野田君

4Gが出れば、それで十分な気がしますが、なぜ5Gを目指すんですか?

Pパパ

図6 えーつ!5Gがあるの?
図6 えーつ!5Gがあるの?

それは「トラヒック」さ。
君も電話屋だから分かるだろうが、1台のスマホの使用時間が増えれば「電話の通話時間の増加」と同じで、回線不足を起こすよね。ネットワークの限界を迎えることになるからね。

Iちゃん

どんどん進化するのね。
LTEアドバンスのこと、分かった気がします。
有難う。
次に聞きたいことを言っていいかな。

Pパパ

なんだい。

Iちゃん

私のパソコンのOSは「WindowsXP」なんだけど、まもなくサポートが切れるって聞いたの?どうしたらいいのか教えて欲しいんだけど・・・。

Pパパ

はいはい。
良く分かりました、了解です。(笑)

*1
第4世代のこと:このシリーズでも書いたが、3.9Gに相当するLTEやWiMax、あるいは3.5Gに相当するHSPA+などもマーケティング(営業)的に「4G」と呼称されることがある。
そのためITUは市場の混乱を避けることを名目に2010年12月6日にLTEやWiMAX、さらにはHSPA+などの3Gを発展させた規格も「4Gと呼称してよい」とする声明を発表しているので紛らわしい一面がある。

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