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Hitachi

IちゃんとP(パパ)と小野田君の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は、小野田君がもう一度「クラウドについて」を話題にするのだったわよね。

小野田君

そうです。
でも、愛ちゃんは、何か勉強してきてくれましたか?

Iちゃん

図1 なぜクラウド?
図1 なぜクラウド?

勿論勉強をしてきたわ!
小野田君だけ勉強させては申し訳ないって思ったの!
「なぜ、クラウドが必要か」ってことを調べたの。

Pパパ

ほほう。
それは感心だね。

Iちゃん

その一番の理由は「コスト」です。
何のコストが安くなったかといえば「コンピュータとネットワーク帯域幅のコストが極めて安価になった」ことです。

Pパパ

そうか。
その中身を説明できるかな?

Iちゃん

はい。
過去のネットワーク帯域幅が比較的高価であった時代には、データをできるだけ利用者(ユーザー)の近くに置くことで応答性を向上し、ネットワーク・コストを削減することが重要だったんです。
でもいまでは、データを社外の集中管理されたデータセンター内のサーバに置いても十分な性能が達成できるケースが多くなっているの。

Pパパ

うんうん。
それは分かり易い説明だ。
だが、コスト面の説明が欲しいな。

Iちゃん

いま、しょうと思っていたの!
焦らないで!(笑)
情報システムのコスト面における最大の課題は運用コストなどの人件費になっています。
人件費を削減するためにはサーバ群をできるだけ集中して運用することが重要なんですね。
従って、極めて多数のサーバを集中管理し、多くの企業や消費者にサービスを提供するクラウド・コンピューティングモデルはコスト的に有利になるってことが説明したいことです。

Pパパ

うーん。
愛ちゃんにしては説明が立派、明快だ。
やればできるんだね。

Iちゃん

私の説明に「極めつけの図」を持ってきました。(図2)
「過去」と「現在」で、「サーバ群をできるだけ集中して運用することのメリット 」を図にしたものです。

図2 サーバ群をできるだけ集中して運用することのメリット
図2 サーバ群をできるだけ集中して運用することのメリット

Pパパ

はっはっは。
いやいや恐れ入りました。
良く勉強しました。
小野田君は、何を勉強してきたのかな?

小野田君

「クラウドコンピューティング」というキーワードについて調べました。
「コンピュータの世界のクラウド」ってことなんですが、まず、その意味ですが、「従来は手元のコンピュータで管理・利用していたようなソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式」のことなんです。

わかり易く言うと、何らかのコンピューティング資源(ソフトウェア、ハードウェア処理性能、記憶領域、ファイル、データなど)をネットワークを通じて利用する形態の総称として用いれることが多いのです。(図3)

インターネット経由のソフトパッケージの提供。電子メール、グループウェア、CRMなど。セールスフォース/ドットコムのSalesforce CRMなどです。
明確な定義や構成要件が定められているわけでもないため、使う人や場面によって微妙に意味が異なる場合があり注意が必要のようですね。

図3 クラウドコンピューティングのイメージ
図3 クラウドコンピューティングのイメージ

Iちゃん

私にはよく理解できないけど、要は私の説明した「ネットワーク帯域が高価だった」のが安価になり、サーバー集中型が有利になって運用管理の容易さやコストメリットが、図3のような「クラウドコンピューティング」が生まれたってことよね。

Pパパ

はっはっは。
自分で勉強してきても完全に理解していなかったな。

小野田君

図4 クラウドコンピューティングの種類
図4 クラウドコンピューティングの種類

そして、クラウドコンピューティングは、図4のように4種類に分類されることが多いんです。
そして、それらを総称してXaaS*1と呼びます。

Iちゃん

あー。
この略称聞いたことあります。

小野田君

そうですか。
それぞれを簡単に説明します。

  1. SaaS:「サース」と発音します。*2
    これは、インターネット経由のソフトパッケージの提供。電子メール、グループウェア、CRMなどで、セールスフォース/ドットコムのSalesforce CRMなどがあります。
  2. PaaS:「パース」と発音します。*3
    インターネット経由のアプリケーション実行用のプラットフォームの提供のことで、仮想化されたアプリケーションサーバやデータベースなどがあります。
    ユーザーが自分のアプリケーションを配置して運用できます。
    セールスフォース/ドットコムのForce.comプラットフォーム、GoogleのGoogle App Engineなどがあります。
  3. HaaSまたはIaaS:「ハース/イァース」と発音します。*4
    インターネット経由のハードやインフラの提供のことで、仮想化サーバーや共有ディスクなどです。ユーザーが自分でOSなどを含めてシステム導入・構築できます。
    Amazon.comのAmazon EC2、Amazon S3などがあります。
  4. BaaS:「バース」と発音します。*5
    モバイルアプリケーションに特化したクラウドの形態として 生まれてきました。
    iPhoneやAndoroidのようなモバイルデバイスはPC以上に普及し、クラウドに接続するデバイスとしてもっとも一般的なものになると予想されています。
    これからのクラウドアプリケーションの主役はモバイルデバイスの上で動くものになるというわけです。どんどん出てきています。
    「Parse」とか、「StackMob」「Kinvey」「Buddy」「CloudMine」「appiaries(アピアリーズ)=日本国内ベンダ」などがあります。

Iちゃん

ふーっ。
今回は、何かアカデミックな勉強会になって疲れたなー。
私が珍しく自分で勉強してきたからかな。(笑)
次回は、私、聞き役に回ります。

Pパパ

では、次回は私が担当しよう。
「M2M」というキーワードを知っているかな?
この話をするよ。

Iちゃんと小野田君

お願いします。
ホッ、あー良かった!(笑)

*1
XaaS:X as a Serviceの略。「エクサース」と発音。
*2
SaaS:Software as a Serviceの略。
*3
PaaS:Platform as a Service
*4
HaaS/EaaS:hardware as a service/Infrastructure as a Service
*5
BaaS:Backend as a Service

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