IPよもやま話
IちゃんとP(パパ)と小野田君の会話が続きます。
今日は、小野田君の「クラウド」についてのレポートがあるのよね。
愛ちゃんは気楽でいいね。
いつも聞き役で楽チンだねー。(笑)
そうでもないのよ。
いつも真剣に聞いているので、終わるとぐったりよ。
はっはっは。信じ難いね。
小野田君、仕方が無い。
始めてくれないか。
ちょっと待って。
楽チンの私が、まず、聞いていいかな?
「クラウド」って、まさか「雲」のことですか?
図1 クラウドは「雲」
そうです。
その「まさか」で、クラウドとは「英語のcloud」で雲のことです。
丁度私達がPBXのことを、四角形で表現するのと似ているね。
雲を掴むような話だけど、どういうこと?
コンピュータ系の人は、よくネットワークを雲のように書くので雲の形になったんだ。
雲の中にはハードウェアやソフトウェアの実体があるが、その中身は見えない(気にしなくてよい)というイメージなんですね。
例えば、ビジネスホンで、端末の電話機だけはオフィスに置くが、主装置(ソフト含む)はクラウド(外部の提供会社等)に置かれるって感じなんだ。
そうなんだ。そんなことができるんだ。
そのクラウドには、言い出しっぺがいてね。
この言葉は2006年8月に開催されたSearch Engine Strategies Conferenceにおいて、Google社の元CEOのエリック・シュミット氏が言及したことで広まったといわれています。
何にでも、ゴッドファーザー(名付け親)がいるのね。
少し難しい説明をすると、過去からある概念のグリッド、SaaS、オンデマンド・コンピューティング、ユーティリティ・コンピューティング、ユビキタス・コンピューティングなどはすべてクラウド・コンピューティングの範疇(はんちゅう)に含まれるといってよいそうです。
ははは。
出てきたキーワード、殆ど分からないわ。(笑)
いいよ。いいよ。
ここでそれを説明していたら、時間が終わってしまうから・・・。
じゃあ、聞くけど、なぜ「クラウドが生まれてきたの?」「なぜクラウドなの?」
図2 クラウドコールセンターの動向
図3 クラウドPBXの動向
鋭い質問ですね。
それも勉強してあるので、後で説明しますが、先に、我々の通信業界では「今年、2013年がクラウド元年」て呼ばれているんです。
その元年の動きを、タブレットに作ってきたのでお見せします。(図2と図3)
実は、コールセンターの案件で、「クラウドスタイル」の提案が他社からありましてね。
少し研究したので、これも後から報告します。
クラウドはコールセンターで動き始めた(図2)のですが「クラウドPBX」も出始めたんです。
そのことを図3に示しました。
クラウドPBXって、いままでのPBXに比べてメリットがあるの?
あったら、これからは、どんどんクラウドPBXに移行していくのかしら?
図4 クラウドのメリット
そうですね。
クラウドの一般的なメリットとデメリットを調べてきました。
先ず「メリット」ですが、図4のように三つあります。
その(1)は「価格が安い」、つまりコストパフォーマンスが良いことです。
これは、一般論ですが、「拡張のステップが小刻みで、ビジネスサイズに、ICT 投資が最適化されるといわれています。
また資産を購入する必要がないため、初期費用は最小化されますね。
それって、聞いたことがあるわ。
その(2)は、「対応スケールが広い」ことです。
その意味は、同一事業者で ICT システムをフルカバーできるんですね。
SaaS であれば、 SaaS 提供企業が、 SaaS アプリケーションが稼動する OS、サーバー、回線等を用意し、すべてのレイヤーの ICTサービスが一括で提供されるからです。
そうかぁ。
ユーザーは必要な端末だけ用意すればいいってことね。
その(3)は、「短期稼動」です。
ビジネスホンやPBXは、それなりの「納期」が必要になります。
規模が大きくなればなるほど、開通までの納期がかかりますよね。
クラウドなら、数日で開通できるなど、短期開通が可能になります。
あらぁー!いいことばかりじゃない。
これなら、これからは「クラウド」ね。
デメリットは無いの?
図5 クラウドのデメリット
何事にも、メリットの裏にはデメリットがあるものです。
デメリットも三つ説明します。
その(1)は、「信頼度=可用性」です。
基本的にはすべてのデータがクラウドに集約されるため、ネットワークの障害(インターネットの信頼度)が、問題になりますね。
変な言い方をすると、クラウド提供側の倒産やサービス終了などでクラウドのサービスが使用出来なくなると、クラウドコンピューティングを利用する企業の経営も停止する恐れがあるよね。
つまり、クラウド業者の信頼度も問題になるということになる。
二つ目の「ブラックボックス」というのは、クラウドは全て「クラウド業者」にあり、ユーザーは、いってみれば「アンタッチャブル」の状態です。
全てはお任せですから、システムの良し悪しは「他力本願」になりがちだということです。
そんなことをいわれると、クラウドは心配になるわね。
そうなんです。
三つ目の「継続使用では割高」とは、使用開始時のランニングコストが安いので、ついついクラウドを導入するケースがありますが、数年とか5年以上使用する場合のランニングコストもキチンと把握しておかないと、割高になってしまい「経済性」のメリットが逆転してしまうことがあるのです。
クラウドの概要と言うか「総論」は分かったような気がするけど、各論と言うか「具体的な話」を聞きたいな。
もう、ビジネスホンやテレビ会議、PBXやコールセンターで随分普及しているんでしょ。
そう。
前半でも説明しましたが、コールセンターやテレビ会議が先行して、PBXはで始めたところですね。
Web系テレビ会議システムでは、NTTの系列会社で既に3000社に納入実績があるといっているくらいです。
そうなんだ。
これからは「雲ちゃんがどんどん大きくなっていく感じ」ですね。
時間がきてしまいました。
愛ちゃんの「なぜクラウドなの?」という質問にも答えていないので、次回も「クラウド」の続きをさせてください。
いいとも。
愛ちゃんも何か勉強しておいで。
分かりました。